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生國魂神社の銅像

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第六章

「今の織田作さんは」
「ほんまかいな」
「はい、その漫画やアニメやゲームでは」
「何と、私みたいなのが文豪かいな」
「それで人気もあります」
「忘れられると思ってたら」
「そうなっています」
 銅像本人に話した。
「今では」
「そやねんな」
「何か織田作さん自己評低いわね」
 蓮華は銅像、織田作之助の話を聞いて思って言った。
「どういう訳か」
「私達でも知ってる人なのに」
 瞳はそれでと話した。
「忘れられてるとか」
「自己評価低いわよね」
「そうよね」
「美咲が言う通り最近漫画やアニメにも出てね」
「人気あるのにね」
「それが意外や、しかし有名になるなら何よりや」
 織田は笑顔で話した。
「これからも覚えて読んでくれるか」
「そうさせてもらいます」
 美咲は決死といった顔で答えた。
「是非」
「ほなな」
「読んでいきます」 
 決意と共に話してだった。
 美咲は織田に約束した、織田はその約束を受けて微笑んで話した。
「楽しみにしてるで、ほな私は銅像を元の場所に戻して」
「そうされてですか」
「どのうえで銅像から出てな」
 蓮華に話した。
「そうしてな」
「そのうえで、ですか」
「魂だけになって」
 即ち幽霊に戻ってというのだ。
「それでな」
「そのうえで、ですか」
「大阪の街巡るわ」
「そうされますか」
「そういうことでな」
 笑顔で話してだった。
 織田は実際に銅像を元の場所に元の姿に戻すとそこから出て幽霊となり三人にほなと右手を挙げて挨拶をしてだった。
 神社を出た、そしてだった。
 大阪の街に消えていった、三人はその後姿を見送った。そのうえで瞳は二人に笑いながらこんなことを言った。
「いや、まさかよね」
「そうよね、織田作さんだったなんてね」
 蓮華も笑って応えた。
「まさかよ」
「そうよね」
「けれど真相がわかってね」
「面白い真相だったし」
「よかったわね」
「ええ、じゃあ」
 瞳は蓮華の言葉に頷きつつさらに話した。
「もう夜だし」
「お家に帰らないとね」
「晩ご飯食べてお風呂入って」
「また明日ね」
「それでゲームしましょう」
 美咲はこちらもと話した。
「織田作さんが出ているね」
「そのゲームするのね」
「そうしましょう。どう?」
 二人に尋ねた。
「ここは」
「いいわね、じゃあね」
「ご飯とお風呂の後でね」
 二人もそれならと応えた、そしてだった。
 三人でマンションに入りそれぞれの家に帰った、そのうえで夕食と入浴の後でゲームをした。そこでまた織田と会って笑顔になったのだった。


生國魂神社の銅像   完


                 2025・3・30 
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