おいしい水
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第二章
「二日酔いと思って入れておいたわ」
「入っていいの」
「そのままじゃ辛いでしょ」
「ええ、かなりね」
母に正直に答えた。
「死にそうよ」
「だからよ」
「お風呂入っていいのね」
「そうしてすっきりしなさい、朝ご飯はそれから食べなさい」
「それじゃあね」
お言葉に甘えてだった、私は昨日帰ってシャワーを浴びていないことを思い出してだった。
身体を奇麗にする為にもお風呂に入った、頭から冷たいシャワーを浴びて湯舟に入るとすっきりとした。
二日酔いは嘘みたいに消え去った、だが。
今度は喉が渇いた、お酒とお風呂のせいだった。それで服を着てリビングに戻るとだった。
すぐにコップを出してお水を入れて飲んだ、一杯飲んで思ったことは。
「美味しいわ」
「お酒飲んでお風呂入ってだからね」
「しかも起き抜けだから」
母にこう返した。
「それで尚更よね」
「お水美味しいのね」
「ええ、最高よ」
心から思ったことだ。
「物凄く美味しいわ」
「それは何よりよ、それじゃあね」
「今から朝ご飯ね」
「食べなさい、いいわね」
「今日の朝ご飯何なの?」
「お粥よ、好きでしょ」
「特にこうした時はね」
二日酔いが解消されてすっきりした時はだ。
「嬉しいわ」
「じゃあ食べなさい」
「早く食べて一日をはじめろ」
父も言ってきた。
「いいな」
「ええ、それじゃあね」
父にも応えた、そうしてだった。
私は自分の席に座ってお粥を食べた、お水も美味しかったけれどお粥も美味しかった。そうして休日の朝を心地よく過ごして一日をはじめられた。
おいしい水 完
2024・11・27
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