おいしい水
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第一章
おいしい水
飲んだ、兎に角飲んだ。
忘年会のシーズンだったけれど私は会社で仲よくしている同期の娘とこの日の夜会社帰りにとことん飲んだ。
「明日休日だし」
「好きなだけ飲めるわね」
二人でバーでこんな話をしてまずは乾杯した。
そしてカクテルを飲んでいった、私はその中で同期の娘に言った。
「こうして気心の知れたもの同士だとね」
「女でも飲むわよね」
「飲むのは男だけじゃないのよ」
「そう、私達だって飲むのよ」
「こうしてね」
すぐにもう一杯注文した、同期の娘もそうしてだ。
文字通り浴びる様に飲んだ、一体何杯飲んだかわからない位だ。二人で文字通り痛飲した。とりあえず意識はあって無事に家に帰って寝た。だが。
朝起きると見事な二日酔いだった、ベッドの中で頭が鈍く痛んだ。そしてここで一階から母の声がした。
「起きなさい、ご飯よ」
「ああ、朝ね」
私は母の声でわかった、それでだった。
頭が痛いことを我慢しながらベッドから出て部屋の扉を開けて部屋からも出て階段を下りた。気付けばパジャマは着ていた。
そして一階のリビングにいるとまずはテーブルに座っている父に言われた。
「酷い顔だな」
「昨日とことん飲んだからね」
私は父に二日酔いの顔で答えた。
「だからね」
「飲むのもいいが気を付けろよ」
「二日酔いになってから言うことじゃないでしょ」
「それでも親は言うんだ」
これが父の返事だった。
「社会人になってもな」
「そうなのね」
「お風呂入りなさい」
キッチンで朝ご飯の用意をしている母も言ってきた。
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