おぢばにおかえり
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第八十四話 日常を過ごせるのもその三十三
「新一君が九州好きなんて」
「そうですか?」
「関西人って感じ強いから」
だからです。
「そう言われるとね」
「意外なんですね」
「どうもね」
「それでも本当に好きで」
それでというのです。
「ホークスもありますし先輩おられなかったら」
「私?」
「大学卒業したらすぐに行きたい位です」
「いや、何でそこで私なのよ」
これまた意味がわからないことでした。
「意味がわからないわよ」
「いやいや、僕はそう思っていまして」
「だから何で私なのよ」
「神戸にいたいですが」
「神戸にいるのはいいけれど」
このこと自体はです。
「けれど私なの」
「先輩がおられますから」
「それでなの」
「今はおぢばにおられますが」
それでもというのです。
「大学卒業して」
「それからはね」
多分です。
「実家の教会に戻ってね」
「そちらで伏せ込みですね」
「それをさせてもらって」
仏教等で言う修行をです。
「それからね」
「教会継がれますね」
「そうなると思うわ」
「ですから」
「神戸にもいたいの」
「そうも考えています」
「ここまで聞いてもわからないわ」
それで首を傾げさせてしまいました。
「どうも」
「そうですか」
「悪いけれどね」
「まあそのうちですね」
新一君は明るく笑って言いました。
「わかってくれたら」
「いいの」
「僕としては」
「そうなのね」
「それで僕は本当にホークスファンになったんで」
「九州に行きたい位なのね」
「神戸が第一で」
それでというのです。
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