ハッピークローバー
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第百六十三話 魔法その七
「何もね」
「言われなかったわね」
「言ってそれを強制して」
「弾圧もしてなかったわね」
「信長さんも幕府もね」
「幕府って踏み絵も慎重だったし」
「言論弾圧だって」
所謂御政道批判には目を光らせていた。
「幕府がそうだって言わないとね」
「よくて」
「川柳とか絵で皮肉ったり」
そうした位なら許された。
「歌舞伎でも時代が違うって言ったら」
「よかったし」
「忠臣蔵だって」
浅野内匠頭の切腹や吉良上野介への処罰がないこと等幕政批判もあるのが忠臣蔵であるのだ、只の仇討ちや忠義の話ではないのだ。
「室町時代になってるし」
「何か歌舞伎とか浄瑠璃だと」
「吉良さんじゃなくて」
敵役の彼もだ。
「高師直さんだし」
「足利家の執権だった」
「あの人でね」
「吉良さんが高家でね」
「それでそうして浅野さんも」
切腹させられた彼もというのだ。
「赤穂藩がお塩を売っていたから塩谷判官さんだし」
「モロバレよね」
「名前はもじってるだけだし」
登場人物のそれはだ。
「見てわかる」
「そんな風でもね」
「幕府は室町時代のお話ならって」
それが一目瞭然でもだ。
「許したしね」
「凄いわね」
「そんな風だから」
「天動説が正しいとか地動説が正しいとか」
「全く言わなかったみたいだし」
そうであってというのだ。
「平和だったみたいだよ」
「そうしたことでも」
「大体日本で政権批判で殺されそうになったって」
「殺されたんじゃなくて」
「テロリスト以外はね」
その中には戦前の共産主義者も含まれる、当時の共産党はスターリンのコミンテルンの指示で国家転覆暴力によるそれを狙っていたからそうなる。
「そうなりかけた人で」
「それでよね」
「日蓮さん位だし」
「あの人結局殺されなかったし」
「そうはね」
「幕府がどうとか言ってもね」
「安政の大獄とか以外だと」
幕末のこの粛清劇以外はというのだ。
「ないよ」
「そうよね」
「そんなので別に陰陽道や妖術使っても」
「人に迷惑かけないとね」
「幕府も動かなかったし信長さんもね」
「動かなかったし」
「よかったよ、魔術を使っても」
例えそうしてもというのだ。
「人に迷惑をかけないなら」
「それでよしよね」
「そう思うよ」
二人でこうした話をした、そしてだった。
そうした話をして別のクラスに行くとそこでは日本の平安時代のことを特集していたがその中でだ。
当時の風習の話もあったがその中で。
「陰陽道あるわね」
「まさにその時代のことだからね」
伊東は留奈に話した。
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