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第百六十三話 魔法その一
第百六十三話 魔法
とあるクラスの魔術特集の文章やイラストを観てだった、留奈は一緒にいる伊東に対して笑って言った。
「魔法使いになれたらね」
「いいよね」
「実際にね」
留奈は伊東に話した。
「魔法ってあるしね」
「うん、うちの大学でそっちの権威の人おられるしね」
「大学の方の教授さんでね」
「通称悪魔博士だけれど」
「小柄でお顔と髪の毛が真っ白なね」
「あの人色々な博士号持っておられて」
「魔術の権威なのよね」
「西洋の魔術だけじゃなくて」
それに留まらずというのだ。
「仙術とか陰陽道にもね」
「凄く詳しくて」
「それで錬金術にもね」
こちらにもというのだ。
「造詣が深いんだ」
「それで実際に使えるのよね」
「そうみたいだね」
伊東はこの話を否定しなかった。
「どうも」
「そうよね」
「それでいて科学にも造詣が深いから」
「工学とか物理学の博士号も持っておられて」
「医学もね」
「凄い人よね」
「噂だと錬金術とか中国の仙術を学んで」
そうしてというのだ。
「不死らしいよ」
「あの人ずっと八条大学におられるのよね」
「噂ではね」
伊東はまたこう言った。
「江戸時代生まれらしいわよ」
「日清戦争、日露戦争の頃から大学におられるのよね」
「うちの学園明治初期開校だけれど」
「その時からおられて」
「何でも公称八十歳だけれど」
そうなっているがというのだ。
「その実百八十歳とかね」
「言われてるの」
「本当かどうかわからないけれど」
それでもというのだ。
「魔術の権威でもあるよ」
「そうよね」
「実際魔女いたしね」
伊東は真顔で話した。
「この人だね」
「マザー=シンプソンさんね」
壁新聞の形式でイラストや文章があった、そのイラストには漫画に出て来る魔女の老婆がそのままいた。
「この人はね」
「本物の魔女で」
「色々出来たのよね」
「それで異端審問官が来ても」
自分のところにというのだ。
「魔法で追い返したらしいし」
「かなり怪しいわね」
「まあ本物の魔女なら」
伊東は真剣に考える顔で話した。
「異端審問とか魔女狩りの人達が来ても」
「何でもないわね」
「こうしたことの犠牲になる人達なんてね」
そうした人達はというと。
「絶対にね」
「偽物よね」
「本物なら魔法で逃げたり隠れたりしてるし」
「マザー=シンプソンさんみたいに追い返したり」
「そうしているから」
だからだというのだ。
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