金木犀の許嫁
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第五十七話 お見合いの前にその十一
「それは箸が転がっても人類滅亡って言う」
「頭がおかしな人ね」
「こうした人は何があってもね」
それこそ箸が転がってもというのだ。
「人類滅亡って言う」
「そうした人ね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「相手にしたら駄目よ」
「おかしな人だから」
「地震でも宇宙人でも陰の政府でも携帯電話の電波でもね」
「まさに何でもなのね」
「人類滅亡って言うから」
「破滅願望の塊?」
「簡単に言うとね」
真昼も否定しなかった。
「そんな人だから」
「聞いたら駄目ね」
「ギャグだと思って」
「聞き流すのね」
「そうしたらいいから」
「それ位のことね」
「そうよ、疫病で人類は滅亡しなくて」
そうであってというのだ。
「極端に酷い疫病でもないとね」
「人口はそんなに減らないのね」
「確かに医学が進歩して文明も豊かになって人口はかなり増えたけれど」
「そう簡単には増えないのね」
「そう、少なくとも掛け算ではね」
その様にはというのだ。
「増えないわ」
「そうしたものね」
「それで極端に減ることもね」
それもというのだ。
「あまりね」
「ないのね」
「そうなの、だからね」
「日本もなのね」
「少子化が進んでいて」
「私達も子供いた方がいいのね」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「それはね」
「大学を出てからよね」
「その方がいいわね」
「計画的になのね」
「そう、けれど欲しくてもね」
子供がというのだ。
「出来ない人も多いのよ」
「そうしたものね」
「そうよ、そこはね」
「神様の配剤ね」
「ええ、だから出来なくても」
それでもというのだ。
「絶望しないことよ」
「神様のお仕事だから」
「妊活をすることはいいことでも」
それでもというのだ。
「けれどね」
「出来なくても絶望しない」
「そうすることも大事だと思うわ」
「子供はそうしたものね」
「そう、出来ることはね」
それはというのだ。
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