金木犀の許嫁
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第五十七話 お見合いの前にその九
「子供は多い方がね」
「いいわね」
「今の日本にとってもね」
「少子化言われてるね」
「百人子供いる人なんてね」
「それおかしいでしょ」
夜空はすぐに言い返した。
「百人って」
「物凄い女好きの人で」
そうであってというのだ。
「それでね」
「百人なの」
「しかも僅か三年で男の子だけでね」
「男の子だけで百人だと」
それならとだ、夜空は頭の中で計算してから答えた。
「女の子も入れたら」
「もうね」
「二百人よね」
「三年でね」
「じゃあ生きていてどれ位かしら」
「三年で二百人でしょ」
男女合わせてというのだ。
「だったら三十年でね」
「二千人ね」
「二十歳ではじめての子供にしても」
「五十までで二千人ね」
「物凄いわね」
「人間じゃないわね」
夜空はそこまでと考えて心から引いて答えた。
「それこそ」
「それでそうした人ってもっとね」
「十代でからなの」
「何処かの国の皇帝か王様で十三歳でお子さんいた人いたそうよ」
「十三歳って」
「だからそこから六十年で」
「七十三歳ね」
「歌舞伎役者の中村富三郎さん七十代でお子さん出来たし」
「それでそうした人もなの」
「七十三歳までとしたらね」
十三歳からというのだ。
「六十年だから」
「四千人ね」
「凄いわね」
「ちょっとした町じゃない」
そこまでいくと、とだ。夜空はこう返した。
「もうね」
「そうよね」
「滅茶苦茶じゃない」
「その滅茶苦茶なこともしたらね」
真昼は引いている妹に述べた。
「少子化対策にはなるわ」
「一人で四千人だと」
「かなりでしょ」
「いや、愛人さん多過ぎでしょ」
「色々揉めそうよね」
「人間とは思わないわよ」
そこまでいくと、というのだ。
「もうね」
「流石に漫画よね」
「百人でもないわ」
最初の数をだ、夜空は言った。
「それだけでもね」
「普通にね」
「世界中に愛人さんいてもね」
「それ自体が凄いことよね」
「愛人さんだけでね」
「それで六十年で四千人ね」
真昼はまたこう言った。
「こんな人いたらね」
「少子化を解決してくれるのね」
「貢献してくれるけれど」
「滅茶苦茶女好きな人だけれどね」
「本当にいたらね」
「そんな人いたら確かに少子化の問題はかなり解決するわね」
夜空はこのことは認めた。
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