手作りアクセサリーの値段
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第一章
手作りアクセサリーの値段
趣味でだ、森武蔵はアクセサリーを作っている、高校生の頃からそうしていて大学を出て就職してからもだ。
ブレスレットや髪飾り、ネックレス等を作っている。それを彼女である富田桜子にもプレゼントしているが。
今貰ったネックレスを見てだ、桜子は森に言った。髪の毛を肩の高さにしていて大きな垂れ目と小さな丸めの頭に一五二位の背で巨大と言っていい胸を持っている。仕事は図書館の司書で真面目に働いている。
「ねえ、一度ね」
「一度?」
「ネットオークションに出してみたら?」
「面長で切れ長の優しい光を放つ目と高い鼻に小さな唇を持つ黒髪をストレートにした一七三位の背の痩せた彼に言った。
「私にプレゼントしてくれるもの以外に」
「ああ、それでお金を稼ぐんだ」
「いつもプレゼントしてもらって思っていたけれど」
仕事帰りの喫茶店でプレゼントしてもらって言うのだった。
「物凄くよく出来てるから」
「それでなんだ」
「ええ、オークションに出したら」
そうしたらというのだ。
「きっとね」
「売れるんだ」
「そうなると思うから」
それ故にというのだ。
「どうかしら」
「今まで趣味で作っていてね」
「売ろうとか思っていなかったのね」
「一つ一つじっくりと時間をかけて」
そうしてというのだ。
「作っていたけれど」
「けれど一度試しにね」
「そうしてみようか」
「私もぬいぐるみ作ってね」
「ネットで売ってるんだ」
「司書やりつつね、うちの図書館私立だから出来るし」
「八条グループが運営している」
「それで出来てるし」
ネットでの販売、副業がというのだ。
「それでね」
「僕もなんだ」
「売ってみたら?」
「それじゃあね」
森もそれならと応えてだった。
彼は実際に自分が作ったアクセサリーをネットオークションに出してみた、すると。
「ブレスレット百万で売れたよ」
「百万ね」
桜子はその額を聞いて目を座らせた、仕事帰りに彼女の部屋で一緒に彼女が作った夕食を食べつつ話している。
「凄いわね」
「ネックレスが二百万で他のもね」
「百万単位でなの」
「売れたの」
「私のぬいぐるみは万単位だけれど」
「好評だよね」
「桁が二つ違うなんて」
自分のものと比べてというのだ。
「凄いわね、けれど見てると」
「それだけの価値あるんだ」
「ええ、よかったわね」
「高く売れてだね」
「そうなってね。ただね」
桜子は森にこうも言った。
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