おもちゃもデザイン
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第一章
おもちゃもデザイン
八条ホビー商品開発部では今社員達が売れっ子デザイナーがデザイナーした商品のイラストを確認していた、そしてだった。
若い社員の坂本安吾眼鏡をかけた卵型の顔に穏やかな大きな目を持ち黒髪をショートにした一七一位の背の痩せた彼が言った。
「同じ商品でも幾つもデザイン出してくれましたね」
「この中からどれが一番いいかだよ」
先輩社員木下林太郎が応えた、すっきりした顎で黒髪をセンターで分けている。切れ長のきりっとした目で口は小さい。背は一七五程で引き締まった体格である。
「俺達が選ぶんだ」
「そういうことですね」
「特撮の商品だからな」
このジャンルの番組でというのだ。
「それだけでな」
「一定の売り上げは期待出来ますね」
「ああ、しかしな」
それでもというのだ。
「細かい部分のデザインとかがな」
「ありますね」
「そこで変なデザインにしたらな」
細部でもというのだ。
「その一定の売り上げすらな」
「達成出来ないですね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「そうなるからな」
「デザインは大事ですね」
「特撮の商品でもな、アニメでもだよ」
こちらでもというのだ。
「魔法少女のステッキでもな」
「女の子に人気の」
「ちゃちなデザインだと」
そうであるならというのだ。
「本当にな」
「売れないですね」
「だからな」
そうなるからだというのだ。
「本当にな」
「それ次第で、ですね」
「ああ」
まさにというのだ。
「変わるからな」
「デザインは慎重に見て選んで」
「決めないといけないんだよ」
「いいデザインですと」
それならとだ、坂本は木下に言った。
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