病院は待つもの
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第二章
「今はね」
「一時間以上待ったわ」
「やっぱり待つわね」
「病院はね」
「それで本持って行って読んでいたのね」
「お陰でかなり読めたわ」
母に笑って話した。
「待っている間にね」
「そうなのね」
「若しね」
さらにだ、悠里は話した。
「本もスマホもなかったら」
「待つ間かなり退屈ね」
「待っている間寝るなんて」
そうしたことはというのだ。
「病院だとね」
「人によるけれどね」
「どうもね」
これがというのだ。
「しにくいのよね」
「病院の待合で寝る人は殆どいないわね」
「ええ、けれど今回の治療も終わったし」
それでというのだ。
「今日はパート休みだし」
「ゆっくり出来るわね」
「お父さんとうちの人が帰ったら晩ご飯だけれど」
「作るまで時間あるわね」
「ええ、これからお買いもの行くけれど」
「今日は野菜炒めにしましょう」
母は笑顔で提案した。
「今日スーパーお野菜安いわよ」
「あら、そうなの」
「だからね」
それでというのだ。
「お野菜買ってね」
「野菜炒めね」
「そうしましょう」
「いいわね、じゃあね」
「今からスーパー行きましょう」
「二人でね」
笑顔で話してそうしてだった。
一緒に車に乗って家を出た、そしてスーパーで買いものに行った。歯医者で待った後はもう何も待たなかった。
病院は待つもの 完
2025・3・20
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