ボーイッシュな美女
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第二章
「私もあんたも揃うと」
「姉妹でね」
「美男美女なの」
「そのカップルね」
「何なのよ、それ」
首を傾げさせてだ、由美梨は言った。
「女の子同士でしかも姉妹なのに」
「面白いわね」
「何処がよ、私女の子だから」
「男の子に見られるのは嫌ね」
「今度からスカート一本にするわ」
スラックスを穿かずにというのだ。
「ミニは苦手だけれど」
「普通スカートは男の人穿かないし」
「それでね」
「男の人と間違えられない様に」
「そうして髪の毛も長くするわ」
こう言ってだった。
由美梨は実際にそうしたファッションにしていった、スカートを穿いて髪の毛を長くしていった。するとだった。
もうイケメンと言われなった、それで家で妹に上機嫌で話した。
「もう男の子に思われなくなったわ」
「それで嬉しいのね」
「私そう思われたくないから」
「イケメンなのに」
「女の子だからね」
自分をそう思うからだというのだ。
「そうはね」
「思われたくないのね」
「そうよ、それでね」
そうであってというのだ。
「このファッションにしてよかったわ」
「ボーイッシュじゃなくて」
「そう、このままいくわ」
「これからは」
「ずっとね」
「じゃあ今一緒に歩いたら」
ロングヘアの姉に話した。
「私達どう思われるかしら」
「前に美人姉妹って話したけれど」
姉は妹に答えた。
「今度はカップルじゃなくて」
「そのまま思われるわね」
「そうね、カップルって思われないならいいわ」
それならとだ、由美梨は笑顔で言った。そして実際に姉妹で街を歩くとまた注目されたが今度は女の子同士と思われているのがわかった、それで自然と微笑んだのだった。
ボーイッシュな美女 完
2025・3・19
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