田舎暮らしの問題点
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第一章
田舎暮らしの問題点
スローライフというものに憧れてだった。
在宅ワーカーの鹿野知里黒髪を短くしていて二重の大きな目が目立つ童顔で背は一五五位で胸の大きな彼女は所謂田舎に移住した、そしてそこでの生活について都会暮らしのままの友人に対してスマートフォンで話した。
「ちゃんと電気も水道もガスも通っていて」
「スマホもパソコンも出来てなのね」
「車ですぐにスーパーやコンビニにも行けるから」
だからだというのだ。
「何も不自由ないわ」
「じゃあスローライフ楽しめるのね」
「ご近所付き合いも苦にならないし」
「いいのね」
「ええ、はじめたばかりだけれど」
田舎のアパートの中で話した、部屋は四部屋程でそれぞれに人が入っていて駐車場もしっかりとある。
「快適よ」
「それはいいことね」
「ここでずっと暮らすわ」
在宅ワークであることに感謝しつつだった。
知里は田舎でのスローライフを楽しんだ、実際に彼女は満喫していた。だが数年経ってそちらに遊びに来た友人にぼやくことがあった。
「近くに山があるでしょ」
「かなり多いわね」
その山がとだ、友人は答えた。
「後ろに」
「竹も多くてね」
「木も雑草も多いわね」
「それでなのよ」
知里は家に来た友人と一緒にお茶を飲みつつ話した。
「夏は蚊が多いのよ」
「ああ、蚊ね」
「都会だといないでしょ、蚊は」
「いてもかなり少ないわね」
友人はすぐに答えた。
「公園とかでもないとね」
「いないわね」
「そうよ」
「それがね」
知里は苦笑いを浮かべて話した。
「ここだとね」
「近くが山で木や雑草が多いから」
「蚊が多いのよ」
「そこが問題ね」
「蚊はお水があったら出て来るでしょ」
「幼虫がボウフラだから」
「そうだけれど木が多いとね」
それならというのだ。
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