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百円の重み

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第一章

                百円の重み
 百円、サラリーマンの須藤英治面長の顔で丸い目と唇を持つ色黒の彼はこの金額について言った。背は百七十位で痩せていて髪の毛は黒く短い。
「これが基準だよな」
「何かとですね」
「ああ、ジュースを買うにしてもな」
 後輩に話した。
「お菓子を買うにもな」
「百円が基準で」
「そこからどれだけ安いか高いか」
 それがというのだ。
「基準だよ」
「本当にそうですね」
「お茶買うにも百円で収まったら」
 それならというのだ。
「安くてな」
「いい買いものだって思えますね」
「だから俺コンビニじゃなくてな」
 行く店はというのだ。
「スーパーが多いんだよ」
「スーパーの方が安いですしね」
「ああ、安売りしていることもあるしな」
 このこともあってというのだ。
「それでな」
「先輩が行くお店はですね」
「スーパーが基本でな」
「百円が基準ですね」
「そうだよ、特に飲みものとお菓子は」 
 この二つはというのだ。
「百円より高いか安いか」
「そうなりますね」
「そうだよ、百円だよ」
 何と言ってもというのだ。
「基準はな」
「そうなるんですね」
「そしてな」 
 それでというのだ。
「お金はそこから無駄遣いしない」
「そうなりますね」
「酒だってな」 
 須藤は酒好きなのでこちらの話もした。
「百円が基準だよ」
「缶ですね」
「そうだよ、缶の酒でな」
「百円よりですね」
「酒はもう賞味期限切れの安売りでもないと百円以上だからな」 
 それでというのだ。 
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