ハッピークローバー
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第百六十二話 メイド喫茶に入ってその五
「四つの国でしたね」
「イングランドとスコットランド、ウェールズ、アイルランドでね」
「そうでしたね」
「民族も違うから」
「アングロサクソンとかケルトとか」
「メイドでも民族の問題がね」
それがというのだ。
「実際にね」
「あるんですね」
「スコットランドがどうとかアイルランドがどうとかね」
「ありますか」
「四つの国それぞれで民族が違うし」
そづであってというのだ。
「特徴もあるから」
「イギリスはそうしたお国でしたね」
「私だってアイルランド出身よ」
先生は自分のことも話した。
「北の方のね」
「イギリスですね」
「本当に結構あるから」
イギリスは民族でもというのだ。
「メイドといっても純粋に萌えじゃないのも」
「複雑な事情もあるんですね」
「そうよ、ただ今はメイドの歴史や背景はこのお店では本題じゃないから」
「本場のメイドさんを楽しむんですね」
「そうしてね。日本とはまた違うから」
イギリスのメイドはというのだ。
「飲みものと食べものもね」
「どちらもですね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「ティーセット楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
「イギリスのものと違って美味しいから」
「そこのことは違いますね」
「味は日本よ」
先生はにこりと笑って答えた、富美子も越智も笑顔を返してだった。
そうして共にティーセットを本格的に楽しみはじめた、越智は三段のティーセットを見てそうして富美子に言った。
「イギリスだと毎日食うんだったな」
「三時にね」
富美子は紅茶、ミルクティーを飲みつつ応えた。
「あっちじゃティータイムって言って」
「三時はいつもだな」
「ティーセットなのよ」
「そうだな、しかしな」
「しかし?」
「イギリスだとまずいんだな」
富美子に真顔で言った。
「こうしたものも」
「そうみたいね」
「果物のサイドイッチにな」
まずは上段のそれを見た。
「エクレアもな」
「中段のね」
「一番下のオレンジや林檎もな」
「果物もね」
富美子はこれもと話した。
「あっちはお水よくなくて」
「寒いしな」
「日本よりもね」
「味が落ちるんだな」
「そうだからね」
富美子はエクレアを手に取って自分の皿に置いてから話した。
「先生が言う通りにね」
「同じ紅茶やセットでもだな」
「日本の方が美味しいのよ、しかもね」
富美子はさらに言った。
「料理する人の腕もね」
「あっちは問題だな」
「調味料あまり使ってなかったり火加減がいい加減だったり」
「酷いんだな」
「紙を下に置かなかったり」
「揚げものでもか」
「下ごしらえもしてなかったり」
そうした場合もあってというのだ。
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