| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十二話 メイド喫茶に入ってその四

「何かと大変なのよ」
「日本のイメージと違って」
「日本人はメイドも魔改造したけれど」
「他のものと同じで」
「イギリスのメイドは結構重労働で」
 そうであってというのだ。
「手が荒れることも多いのよ」
「あっ、お洗濯とかして」
「そうよ」
 その為にというのだ。
「グローブみたいになった人もいたし」
「そうだったんですね」
「だからね」
「身分は高くないですよね」 
 越智は先生に考える顔で話した。
「イギリスは階級社会ですが」
「要するにお手伝いさんだから」
「それで、ですね」
「社会的身分はね」
「高くないですね」
「低いわよ」
 そうだというのだ。
「はっきり言ってね」
「そうですよね」
「貴族やお金持ちの人にお仕えするのよ」
「住み込みで」
「だからね」
 そうした立場であり仕事だからだというのだ。
「お手伝いさんよ」
「言うならですね」
「だからお給料もね」
 社会的地位が低いからだというのだ。
「あまりね」
「高くないですか」
「よく言われる人気のお仕事と比べたら」
 メイドのそれはというのだ。
「衣食住はあるけれどね」
「そうしたものですか」
「そう、結構酷いお話もあるし」
「ブラックですね」
 越智は酷い話と聞いて仕事であるということから述べた、このことは彼も察しがついたことであるのだ。
「要するに」
「そう、それでね」
「いいものじゃないですか」
「本場ではね」
「そうなんですね」
「だから日本のメイドさんはね」
 彼女達はというと。
「独自の進化を遂げてるのよ」
「萌えの方にですね」
 富美子が応えた。
「そうなるんですね」
「そう、日本人は何でも萌え対象にするけれど」
「メイドはその中でも特にですね」
「だから独自進化を遂げているけれど」
「イギリスではですね」
「そうよ、資本家と労働者の関係だと」
 今度は産業革命以降の社会の話をした。
「労働者よ」
「身分の低い」
「貴族と平民だと平民だしね」
「そうした人達ですね」
「今の日本は身分社会じゃないから」
 だからだというのだ。
「そういうことは意識していないわね」
「はい、私もです」
「イギリスは今も身分があるから」
「貴族の人達がいて」
「そうだしね、それにね」
 先生はさらに話した。
「民族のこともあるし」
「あっ、イギリスはそうですね」
 富美子も言われ絵頷いた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧