夢幻水滸伝
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第三百八十三話 読む力その十五
「最終的な目的は世界を救うことやし」
「それで、ですね」
「アレンカールさんの勢力と戦わず」
「ブラジルとは」
「一緒にやっていこうな」
「わかりました」
それではとだ、チェチーリアは頷いた。
「ほなそうしていきます」
「そういうことでな」
「留守の間そうしていきます」
「ボリビアを治めつつな」
「アレンカールさんの勢力に入ります」
「そや、そしてな」
アレンカールはさらに話した。
「ここからちょっと聞きたいことあるわ」
「何でしょうか」
「チェチーリアちゃんどないしてた」
パンにジャム、オレンジのそれを塗りながら問うた。
「僕と会うまでは」
「この世界で、ですね」
「そや、どないしてたんや」
このことを聞くのだった。
「それまでな」
「はい、それはです」
どうかとだ、チェチーリアはすぐに応えた。
「お話させてもらいます」
「そうしてくれるんやな」
「特に隠すこともあらへんので」
牛乳を一口飲んでから答えた。
「そうですさかい」
「それでやな」
「今これからお話させてもらいますね」
「頼むわ」
セスペデスはそれならと応えた。
「これからな」
「ほなです」
「こうしてゆっくりとな」
「飲んで食べて」
「そうしながらな」
「お話をしましょう」
「それでな」
セスペデスはこうも話した。
「今カピバラの焼いたお肉あるけどな」
「これも美味しいですね」
「豚もあるわ」
「豚肉のお料理もですか」
「でかいのをロースしたのがな」
その料理がというのだ。
「スパイスもたっぷり利かした」
「それは美味しそうですね」
「それで僕等は今牛乳を飲んでるけれどな」
飲みものの話もした。
「それはあくまで最初の一杯で」
「これからはですね」
「二杯目からはお酒にしよな」
「今は夜ですし」
「夜は飲む」
笑顔での言葉だった。
「そうする時やな」
「はい、あーしもお酒好きです」
「ほなな」
「そうしましょう」
「それでや」
その牛乳を飲みながら話した。
「豚のロースも食べて」
「お酒も飲んで」
「そうしながらな」
「あーしのことをお話させてもらいます」
「それでその時が来たら」
セスペデスはサラダを一口食べてから言った。
「僕は南極に行くわ」
「それでは」
「南極は寒くて」
「危険な獣やモンスターもいて過酷ですね」
「そうした場所やからな」
このことがわかっているからだというのだ。
「それでや」
「今後はですね」
「南極での調査にあたるけど」
「そちらも全力で、ですね」
「やってくわ」
「ご健闘を祈ります、そして」
チェチーリアはさらに話した。
「吉報を待っています」
「無事に帰ってきてやな」
「はい、そちらも」
「絶対持って帰るわ、アムンゼンさんみたいにな」
「犬橇で進まれて」
「そのうえでな、犬橇は僕が考えたが」
「皆さん賛成してくれましたね」
参加する星の者達がというのだ。
「そうですね」
「そや、それでな」
「犬橇で行かれて」
「そして調査してな」
「無事に帰って来られますね」
「そうしてくるわ、ほなな」
「あーしのことお話させてもらいます」
チェチーリアは飲む時に自分のことを話した、そうしてセスペデスとの相互理解をさらに深めるのだった。
第三百八十三話 完
2024・12・23
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