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おぢばにおかえり

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第八十四話 日常を過ごせるのもその二十六

「修養科に行かせてもらっても」
「駄目だったの」
「文句ばかりでおみちの悪口ばかりで」
「何か教会の仕組みがどうとかで」
「どうでもいいこと偉そうに言って」
 そうしてというのです。
「自分は仕事しないふんぞり返って人のお家に上がり込んで」
「ご飯たっぷり食べてお風呂入って一泊してよね」
「朝ご飯も大飯で」
「お金貰って帰るから」
「本当に酷かったんで」
「よくそれで生きていけたわね」
 このことが不思議です。
「奥さんおられなくても」
「ずっと一緒でしたがあまりにも偉そうで全然思いやりがなくて」
「離婚されたのね」
「それでずっと食べさせてもらってて」 
 それでというのです。
「感謝もしないで」
「文句言ってたのね」
「離婚された時爪切りまで持って行ったって」
「爪切りって」
 そう聞いて思わず声をあげてしまいました。
「そんなもの気にしてそこまでお世話になってて」
「全然感謝してなくて爪切りさえ自分で買わない甲斐性なしでケチで」
「それを人に言ったのね」
「そんな無神経で」
「そんな人だったのね」
「それで脳梗塞から復帰した自分の叔父さんに注意されてどついたろかです」
「色々酷いわね」
 聞いていてつくづく思いました。
「おみちのことも悪口ばかりなのよね」
「随分お世話になっていても」 
 それでもというのです。
「教会の仕組みがどうとか言って」
「そんなことどうでもいいでしょ」
 私としてはです。 
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