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金木犀の許嫁

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第五十六話 真昼の許嫁その十

「ああなるしね」
「生き方、性格ね」
「一番大事なのはね」
 それはというのだ。
「覚えておいてね」
「わかったわ」
 夜空は肝に銘じる様に頷いた。
「つくづく思ったわ」
「だから佐京君と結婚出来るなら」
「一番いいわね」
「そうよ、佐京君もおじさんおばさんもいい人達だから」
「白華ちゃんも含めて」
「絶対にね」
「幸せになれるわね、私」
 姉に対して言った。
「結婚してお互い努力したら」
「夜空ちゃんもいい娘だけれど」
「ずっといい人でいる様に努力して」
「そしてね」
「いい人のままいることね」
「お互いね」
 佐京もというのだ。
「そうしたら幸せになれるから」
「幸せな家庭にいられて」
「そうだと思うわ、私もまだ結婚してないけれど」
 真昼は笑ってこうも言った。
「お見合いだってね」
「これからで」
「それで実際には聞いたことでね」
「今お話していることは」
「それだけのことで」
 そうであってというのだ。
「安心出来るけれど」
「これが初対面の人達だと」
「その時で決めないで」
「じっくりとよね」
「お話をして」
 そうしてというのだ。
「決めないとね」
「いけないわね」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「ご家族もね」
「見ることね」
「そう、さもないとね」
「不幸になるわね」
「そうなるのよ」
「お金や地位やお顔で見ない」
「決してね、しかしね」
 ここでだ、真昼は夜空に曇った顔になってこうも言った。
「夜空ちゃんはお嫁さんに入るでしょ」
「ええ」
 その通りだとだ、夜空は姉に答えた。
「佐京君と結婚してね」
「猿飛家に入るわね」
「そうなるわ」
「それでうちは私が継ぐのよね」
「西宮家はね」
「だから幸雄さんとお見合いして」
 そうしてというのだ。
「結婚することになったよ」
「幸雄さんが西宮家に入ってくれて」
「後を継いでくれるの」
「そうなるわね」
「今幸雄さんは次男さんで」
 その生まれでというのだ。
「今十勇士のお家はどのお家も跡継ぎさんおられるから」
「婿入りとなると」
「十勇士の分家になって」
「うちなのね」
「そうなの。うちもね」
 自分達の家である西宮家はというのだ。 
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