ドリトル先生の長崎での出会い
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第十二幕その五
「その時はね」
「純粋に愛し合う」
「そうであって欲しいよ」
「そうだね」
「誠実な愛情」
先生は一言で言いました。
「それこそがね」
「あるべきだね」
「そう思うよ」
「その通りだね、今度は」
「そして明日学校に行ったら」
その時はというのです。
「そうした愛になることをお祈りするよ」
「教会でかな」
「そうするよ」
「いいね、信仰のお話でもあるから」
王子は蝶々さんが改宗したこともお話しました。
「そのこともあってだね」
「明日はね」
「教会に行って」
「お祈りするよ」
「プロテスタントの教会ですね」
トミーが言ってきました。
「大学の中にある」
「そう、あちらにお邪魔して」
「お祈りをさせてもらいますね」
「お二人のことをね」
「あの教会は国教会の人も入れてくれますしね」
「カトリックの教会もそうだけれどね」
先生は少し苦笑いになって応えました。
「大学の中の」
「そうですが」
「流石にプロテスタントの国教会の人がお祈りすることはね」
「憚れますね」
「そうだからね」
そうした事情があるからだというのです。
「プロテスタントの教会に行こう」
「そうしましょう」
「いや、日本では意識されないけれど」
王子はミルクティーを飲みつつ言いました、皆飲んでいる紅茶はそちらです。
「プロテスタントとカトリックってね」
「違うからね」
「何かとね」
「それで僕は国教会で」
「プロテスタントだから」
「そちらの教会にお邪魔して」
そうしてというのです。
「祈らせてもらうよ」
「じゃあ僕も行くよ」
王子はここまで聞いて言いました。
「そして一緒にね」
「祈ってくれるんだね」
「お二人のことをね」
「そうなんだね」
「私も共に」
執事さんも微笑んで言ってきました。
「そうさせて頂きます」
「僕もです」
トミーもでした。
「一緒に行きましょう」
「皆でだね」
「お二人のことを祈りましょう」
「若し彼等が蝶々さんと中尉の生まれ変わりで」
「巡り会って愛し合うのなら」
「今度こそね」
「幸せになって欲しいですから」
そう思うからこそというのです。
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