ドリトル先生の長崎での出会い
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第十一幕その九
「今で最高だよ」
「そう言うよね」
「そこは先生だね」
「無欲だよ」
「いいことだけれど残念よ」
「これ以上幸せになるなんて」
最高だからだというのです。
「本当にね」
「ないって言うね」
「そうだね」
「先生としては」
「そうだね」
「そう、だからあの二重の虹がもたらしてくれる幸せは」
それはといいますと。
「お二人、そして皆にだよ」
「もたらされるといいんだ」
「僕達に」
「そうなればいいっていうんだね」
「先生としては」
「そうだよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「それでなんだ」
「もういいんだ」
「それじゃあね」
「僕達は幸せを頂くけれど」
「先生に渡すよ」
「ではその幸せをね」
皆からもらったそれをというのです。
「僕は皆に分けるよ」
「公平に」
「そうするんだ」
「僕達に」
「あらためて」
「僕も最高だけれど皆がそう言うならいただいて」
二重の虹がもたらす幸せをというのです。
「そしてね」
「そうしてなんだ」
「僕達皆でなんだ」
「幸せを公平にいただいて」
「一緒に幸せになるのね」
「トミーも王子もね」
このお二人もというのです。
「そして執事さんもマグさんもね」
「そうそう、マグさん日本で暮らすしね」
「奥さんと一緒に」
「そのことが決まってるし」
「それじゃあね」
「彼にもね」
是非にというのです。
「幸せになってもらうよ」
「これまではキャットフ―ドを売っていたけれど」
「バドルビーで」
「今度は神戸でベット用品のお店をやって」
「そうして暮らすのね」
「そうだよ、そして国籍もね」
こちらもというのです。
「やがてはね」
「日本だね」
「先生と同じく」
「日本国籍になって」
「日本人になるのね」
「そうだよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「日本に永住するつもりらしいよ」
「先生やトミーみたいにね」
「王子も暫く日本にいるし」
「これからは一緒だね」
「あの人と」
「そうなるよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「バドルビーにいた時みたいにだよ」
「楽しくお会い出来るね」
「マグさんとも」
「そうなるね」
「そのことが嬉しいよ」
笑顔で言うのでした。
「だから彼にも幸せをあげるよ」
「幸せは独占しない」
ポリネシアは言いました。
「立派な考えよ」
「全くだね」
トートーはポリネシアの言葉に頷きました。
「先生らしいよ」
「幸せは一人じゃなくて皆が得るもの」
ダブダブも言います。
「素晴らしい考えよ」
「全くだね」
「こんないい考えないわ」
チープサイドの家族も言います。
「一人だけじゃない」
「皆で一緒に幸せになろうなんてね」
「世の中自分のことしか考えない人もいるけれど」
「先生は違うからね」
オシツオサレツも二つの頭で言いました。
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