ドリトル先生の長崎での出会い
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第十一幕その二
「悪い印象は受けなかったみたいで」
「お互いにね」
「それでお話は上手くいって」
「土佐藩も倒幕にさらに傾いて」
「維新の力になったね」
「そうなんだ、創作だとね」
漫画や小説やドラマだと、というのです。
「龍馬さんはよく子供の頃いじめられていて」
「後藤さんにもだよね」
「身分が違うから」
「いじめられているね」
「けれどそもそも住んでいる場所が違うから」
だからだというのです。
「会ったことがね」
「なかったね」
「同じ土佐藩でも」
「本当に創作は創作で」
現実と違ってというのです。
「そのことを頭に入れないとね」
「駄目だよね」
「実際お二人が会ったのはこの長崎が最初で」
「それまで同じ土佐藩にいてもね」
「お会いしたことなかったね」
「一度も」
「噂は聞いていてもね」
お互いのというのです。
「それはなかったよ」
「板垣退助さんとはずっとだったしね」
「お会いしたことなかったしね」
「それでいてお互い悪い感情は抱いてなくて」
「むしろ同志だったね」
「志士だったからね」
坂本龍馬さんも板垣退助さんもというのです。
「だからね」
「それでだよね」
「嫌い合っていなかったね」
「やっぱり龍馬さん子供の頃いじめられてなかったし」
「板垣さんもそんなことする人じゃなかったね」
「そのことはね」
やはりというのです。
「覚えておかないとね」
「そうだよね」
「そのこともね」
「ちゃんと覚えておかないとね」
「創作ならいいけれど」
「歴史ではそうだったね」
「僕は三人共嫌いじゃないよ」
龍馬さんも後藤さんも板垣さんもというのです。
「決してね、そしてね」
「そして?」
「そしてっていうと?」
「まだ何かあるの?」
「うん、蝶々さんは芸者さんだってね」
ここでもこの人のことをお話しました。
「だからね」
「ああ、料亭だとね」
「芸者さんは付きものだったね」
「そうだったね」
「そうだよ、だからね」
そうした事情があってというのです。
「蝶々さんもね」
「料亭にいたかも知れないんだ」
「若しかして」
「そうだったかも知れないんだ」
「うん、そしてね」
先生は海老の天婦羅を食べてからお話しました、
「このお店にもね」
「いたかも知れないんだ」
「このお店江戸時代からあったから」
「それでだね」
「そうも思うよ、芸者さんになって」
蝶々さんはというのです。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「苦労していたね」
「元々武家の娘さんだったのに」
「それがね」
「幕臣の家だったかな」
蝶々さんのお家はというのです。
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