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ドリトル先生の長崎での出会い

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第十一幕その一


                第十一幕  二重の虹
 皆を長崎で有名な料亭に案内してでした。
 先生は皆と舟に乗せたお魚のお刺身や海老に烏賊に鱚にお野菜の天婦羅といったものにお豆腐や生麩が入ったお吸いものを前にしてです。
 長崎の地酒を飲みつつです、こんなことを言いました。
「このお店も歴史あるお店でね」
「そうなんだ」
「このお店もなんだ」
「古くて」
「歴史があるのね」
「そうだよ、江戸時代からあるお店でね」 
 見れば和食だけではありません。
 オランダ料理や中華料理もあります、先生はそのご馳走達を前にお話するのでした。
「こうして和食だけでなくね」
「欧州のお料理もあって」
「中華もあるね」
「そうなんだね」
「この料亭は」
「まさにね」
 先生はさらに言いました。
「長崎のお店だよ」
「そうだね」
「和食に限らないのは」
「欧州や中華もあるのは」
「この街ならではだね」
「そうだよ、そしてこのお店でもおそらくは」
 先生はそのご馳走達を食べつつ言いました。
「志士の人達もね」
「会合を開いていたんだ」
「集まってお話して」
「飲んで食べていたんだ」
「そうだったかも知れないのね」
「日本で政治のお話をする時は」
 どうだったかといいますと。
「最近は事務所でするけれど」
「料亭だったね」
「会社の接待や詳しいお話もだったね」
「料亭でやってたね」
「日本だと」
「それは志士の人達からはじまってね」 
 幕末のというのです。
「そしてね」
「それでだね」
「ずっと続いていたんだね」
「日本で」
「料亭なら人も来ないしね」
 そうした場所でというのです。
「密室だしね」
「重要なお話が出来るね」
「そうだね」
「だから会合にも使えるね」
「それで幕末はだね」
「志士の人達が使っていてね」
 会合の場所にというのです。
「ずっと続いていたんだ」
「日本ならではの風情があって」
「雰囲気があってね」
「中々面白いけれど」
「幕末からだね」
「だから坂本龍馬さんもね」
 この人もというのです。
「長崎にも来ていたけれど会合の時は」
「料亭だね」
「そこでお話していたのね」
「同志の人達と」
「そうだよ、そしてね」
 先生はお刺身を食べて言いました、新鮮なお魚はとても美味しくて先生も皆も食べて笑顔になりました。
「後藤象二郎さんともね」
「この長崎で会ってるんだよね」
「そして維新に向けてのお話をしたね」
「そうだったね」
「お互い初対面だったけれど」 
 そうであったけれどというのです。
 
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