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金木犀の許嫁

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第五十四話 忍者の家でもその八

「あそこはね」
「弱いのね」
「毎年ね」
 それこそというのだ。
「勝率一割台で」
「他も最低で」
「物凄く弱い」
 そうしたというのだ、最早球界の盟主という呼び名は恐竜の時代のものとなってしまっているのだ。
「カスチームにね」
「なってるのね」
「巨人はね」
 夜空も言った。
「もうね」
「どうにもならないな」
「ええ」
 そうだというのだ。
「どう見てもね」
「ああなるね」
 こう告げた。
「何があってもな」
「努力しないで」
「選手を育てないでな」
 そうしてというのだ。
「そしてな」
「選手を掠め取る」
「他チームから」
「そんなことしてると」
「お金がなくなると」 
 他チームから選手を掠め取る為のというのだ。
「もう」
「ああなるのね」
「そう」
 まさにというのだ。
「それこそ」
「そうよね」
 夜空も頷いた。
「ああした感じで」
「巨人ってね」
 ケニアの娘は言った。
「今いいところあるかっていうと」
「ないわね」
「ええ」
 夜空に答えた。
「もうね」
「そうなったのはね」
 それはというと。
「ずっとね」
「選手掠め取るだけで」
「それでね」
「他のことしなかったから」
「育成だってね」
 これもというのだ。
「ずっとね」
「してこなかったのね」
「何かあると」
 それこそというのだ。
「補強だって喚いて」
「他チームから選手掠め取って」
「それで済ませてきて」
「それの繰り返しで」
「それでずっとやってきたから」
「育成してなくて」
「そのノウハウもなくてね」
 全く力を入れなかった結果というのだ。
「それでよ」
「弱くなったのね」
「しかもね」
 夜空はさらに言った。
「あそこ生え抜き至上主義だしね」
「監督さんとかコーチとか」
「もうね」
「巨人出身じゃないとなのね」
「冷遇するから」
「コーチも生え抜き重視ね」
「特に監督さんは」
 この役職の者はというのだ。 
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