八条学園騒動記
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第七百八十九話 境界知能その三
「暴政にやられるね」
「重税とか世の中滅茶苦茶にする政治にね」
「そうなるね」
「これは暴君だってすぐにわかる」
まさに一目でというのだ。
「そんな奴によ」
「騙されて」
「そしてね」
「最初にだね」
スターリングはまた言った。
「食いものにされるね」
「暴君にね」
「そうだね」
「馬鹿で力もないなら」
「暴君は真っ先に狙うね」
「これが独裁者でも同じよ」
「まず弱い相手を狙って」
スターリングはそうしてと言った。
「搾取するね」
「実際そうしてるしね」
蝉玉はまさにと話した。
「昔のアフリカの独裁者なんて」
「二十世紀終わりから二十一世紀はじめの」
「もうステレオタイプみたいに出て来たね」
「あの私利私欲ばかり貪って」
「言論弾圧も圧政もやりたい放題やる」
「ああしたタイプだね」
「もうああしたタイプの独裁者はね」
連合では実際にこの時代でもアフリカタイプと言われている、何故かどの国の独裁者も同じ様なことをしていた。
「軍隊の力も使って」
「圧政敷いてね」
「自分の利益を貪って」
そうしてというのだ。
「それで贅沢三昧で」
「蓄財もして」
「権力とお金とね」
「あと地位もね」
「身内は忠誠心だけ見て」
「それで登用して」
「能力は見ないで」
側近に登用する者達はというのだ。
「自分に媚び諂って」
「ただそれだけの連中しか登用しなくて」
「それでそんな連中って碌なものじゃなくて」
「もう自分のことしか考えなくて」
「小者でね」
これは歴史の常だ、独裁者に媚び諂い地位を望む輩は誇りも意地もない。そして自分より身分が低いと見ると居丈高になり能力はない。
「碌なことしなくて」
「独裁者と同じで私利私欲を貪って
「悪いことばかりする」
「物凄く腐るね」
「それでだね」
トムは嫌そうに言った。
「そんな連中を支持する連中は馬鹿でね」
「実は無力なんだよね」
「全くね」
スターリングも蝉玉も応えた。
「お金もなくてただ働いているだけで」
「一票位の力しかないよ」
「選挙ではその一票が必要だけれど」
「その一票が必要なくなったら」
「真っ先に食いものにされるね」
トムはまさにと述べた。
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