スーパー戦隊総決戦
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第十話 奈良においてその六
「嫌でもわかるよ」
「しかし他にいいマスコットなかったのかよ」
デカレッドが言うのはこのことだった。
「御前等どんなセンスしてるんだ?」
「これをマスコットにしたのは我等ではないわ」
「デズモゾーリャでもこんなのはなかったぞ」
少なくとも彼等がこのマスコットを選んだことではないのは事実だ。
「全く。それにしてもだ」
「この連中まで出て来るとはな」
「なあ、ここは」
「切り札投入といかない?」
ヤバイバとツエツエが彼等に言ってきた。
「この気色悪いマスコット巨大化させてな」
「ゴセイジャーなりデカレンジャーなりやっつけてしまわない?」
「うむ、それはいいな」
「そうだな」
ヴァッフォとミゲルもそれでいいというのだった。
「それではここは」
「一気に巨大化させるとするか」
「おお、それいいな」
「そうよね」
「おい、待て」
その彼等にデカブルーが突っ込みを入れる。
「御前等今自分達で作戦言っているぞ」
「むっ、しまった」
「そういえばあんた達いたのね」
ヤバイバとツエツエもそれを言う。
「ぬうう、盗み聞きするとは」
「油断ならないわね」
「こいつ等何処まで馬鹿なんだ」
流石にこれにはデカレッドも呆れていた。
「何か自分達で勝手に自爆しまくってるじゃねえか」
「くっ、痛いところを衝くのう」
「油断できんな」
ヴァッフォとミゲラもわかっていない。そんなやり取りをしながら何はともあれ巨大化に入るのだった。
「じゃあヤバイバ」
「ああ、ツエツエ」
二人は息を合わせて頷き合う。
「それじゃあ早速」
「巨大化しろ!」
「ナラッ!」
こうしてその不気味なマスコットが巨大化する。そうして巨大化すれば巨大化したで非常に不気味な姿を古都に見せるのであった。
その姿を見た奈良の市民達も。露骨に嫌な顔を見せるのだった。
「うわ、大きくなったんか」
「嫌やなあ」
「誰がこんなアホなことしたんや」
「正気かいな」
何処までも市民達に愛されていないマスコットである。
「誰か退治しろや」
「こんなマスコット」
「誰が採用したんや、ほんま」
「何か物凄い不評なんですね」
何時の間にか全ての戦隊が若草山に集まっていた。そしてその爽やかな場所から不気味なことこの上ないマスコットを見るのであった。
アバレッドはそのマスコット達を見上げながら言うのであった。
「あのマスコットって」
「そりゃそうでしょ」
マジピンクもそれを言う。
「あんな気持ちの悪いのってそうはないわよ」
「そうだよな。あれはないぜ」
ゲキチョッパーも容赦がない。
「禍々しいものまで感じるしよ」
「それはそうとしてだ」
「どうするのよ」
ゲキブラックとゲキグリーンはもう戦いを見ていた。
「放っておくわけにもいかないだろう」
「やっつけるしかないわよ」
「それはわかっている」
こう返したのはガオシルバーだった。
「何とかしないとな。しかしそれにしても」
「そうよね。どれだけ見ても」
「気持ち悪いなあ」
「ドス黒いオーラまで放ってるし」
「可愛くないどころじゃないよな」
誰もが褒めない。まさに呪われた存在だった。
その呪われた存在を見ながらだ。皆とにかく言うのだった。
「巨大ロボットですね」
「それしかない」
「っていうか呼ばないと」
「呼んだブラか?」
ここで遂に爆竜ブラキオサウルスが出て来た。
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