スーパー戦隊総決戦
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第十話 奈良においてその三
「鹿に近寄らないし」
「というか避けてません?」
「確かに」
見てみればその通りである。結構忌々しげに見ていたりする。
「やっぱり実際は厄介者なのかな」
「そうみたい」
そんな話をしながらそれぞれのチームに別れてそのうえで探索にかかった。そしてその頃敵達もだ。彼等もまた奈良に来ているのだった。
「ふむ、この街もまた」
「いいものだな」
「確かに」
奈良の商店街を歩き回っていた。アーケードからさらに進み土産物やその他の料理店等を見回っている。かなり上機嫌で歩き回っている。
「食べ物も多いしそれなりに美味い」
「何かずっといたい位だな」
「全くだ」
「特にこいつだな」
ここでヤバイバは目の前に立っている不気味なマスコットを見て言う。
「この鹿の角生やしたこいつ。かなり強いぜ」
「そうよね。禍々しい気配に満ちているわ」
ツエツエも彼の言葉に頷く。
「何か今にも全てを破壊するみたいな」
「邪悪なものがあるよな」
「私達の仲間になってくれれば」
「そうだよな、本当に」
そんなことを言いながらそのマスコットを見るのであった。
「是非共って思うんだがな」
「どうなりか?折角だから」
「一緒に戦うぞよ」
ヨゴシュタインとキタネイダスは実際にその奇怪なマスコットをスカウトしだした。
「貴殿が加わればまさに百人力」
「だからこそ」
「そうだ、いいことを思いついたぞ」
「我等に考えがある」
ここでヴァッフォとミゲラも言ってきた。
「見たところこのマスコットもかなり数が多い」
「それを全て我等の同士としよう」
「いいね、それ」
トードが跳びはねながらそれに賛成する。
「じゃあさ、この街に一杯いるこの人を僕達の仲間にしようよ」
「よし、それならすぐに」
「そうしよう」
こう話してすぐにであった。全員それぞれの力を使ってその気色悪いマスコットを加えたのだった。忽ちのうちに彼等は奈良の街中を徘徊しだしたのだった。
「ナラッ、ナラッ」
「ナラッ、ナラッ」
彼等は奇怪な声をあげながら奈良の街を徘徊しだしている。それは奈良の人達も顔を顰めさせるものだった。
「うわ、遂に勝手に動きだしたな」
「何時かこうなるとは思ってたけれど」
「動いたらさらに気持ち悪いな」
「というかこいつマスコットにした奴って本当に何なんだよ」
「悪趣味だな」
奈良の人達もそれぞれ言う。
「おい、とにかくな」
「警察呼ぶか?」
「いや、自衛隊だろ」
「自衛隊か?」
実は奈良市に航空自衛隊幹部候補生学校があるのである。意外なことに自衛隊との縁もある街なのである。
「自衛隊だよな、ここは」
「そうだよな、やっぱり」
「じゃあ早速来てもらうか」
「こういう時の為の自衛隊だしな」
「よし、じゃあ」
早速一人が携帯を出して呼ぼうとした。しかしここでそれぞれの戦隊が出て来たのだった。
若草山においてだ。ゴセイジャーの面々がそのマスコットの大群と対峙していた。ゴセイレッドがここで首を傾げさせながら言うのだった。
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