ドリトル先生の長崎での出会い
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第九幕その九
「今の人達がしたことじゃないんだよ」
「それでとやかく言うのはね」
「筋違いもいいところだね」
「そうだね」
「やってもいない過去のことを言うのなら」
先生は眉を曇らせて言いました。
「お門違いもいいところだよ」
「全くだね」
「日本もそうした人いるけれどね」
「戦争がどうとかで」
「謝罪とか反省とか」
「そう言う人達の方こそ過去に戦争を煽っていたんだ」
先生はこの事実を指摘しました。
「そして人にあれこれ言う為に嘘まで吐いて」
「新聞社や学者さんが」
「絶対に嘘を吐いてはいけない立場の人達が」
「そんなことまでしてね」
「反省しろとか言っていたね」
「そして人に声高に反省しろと言う人は」
まさにその人達こそはというのです。
「自分達が何かしてもね」
「うん、反省しないね」
「謝罪もしないね」
「そうだね」
「人には厳しいけれど」
そうであるけれど、というのです。
「自分にはだよ」
「甘いよね」
「本当に」
「そうした人達こそ」
「そんな有様だからね」
そうだからだというのです。
「語るに落ちただよ」
「全くだね」
「そう言うべきだね」
「最早」
「そうだね」
「その通りだよ」
こう言うのでした、そしてです。
先生はあらためてです、皆にお話しました。
「自分がやってもいないことで反省、後悔はしてはいけないよ」
「そうだね」
「結論としてそうだね」
「そう言うべきだね」
「全く以て」
「若ししろって言う人は間違っているから」
だからだというのです。
「信じてはいけないよ」
「実際そうした人達って日本にいるけれど」
トートーは言いました。
「確かに自分の悪いことには謝らないね」
「それどころか責任転嫁するね」
ホワイティはこの事実を指摘しました。
「政府とかに」
「帰国事業ってあったけれど」
老馬はこのことを思い出しました。
「北朝鮮に国籍がある人はあの国に帰ろうって」
「地上の楽園とか言ってね」
「そうしたんだよね」
オシツオサレツも二つの頭で言います。
「実際に大勢の人があの国に渡って」
「一人も生きて帰っていないね」
「あの国は楽園じゃなかったね」
チーチーは怒って言いました。
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