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ドリトル先生の長崎での出会い

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第九幕その七

「漢江の街だけあってね」
「駅前もだね」
「お店が多いね」
「土産ものを売っているお店も」
「食べもののお店もあるね」
「いい感じだよ、だからね」
 それでというのです。
「ここに来てよかったよ」
「そうだね」
「駅前にも来てよかったね」
「色々観るものがあって」
「楽しいところね」
「本当に最近日本の駅前は寂れてるけれどね」
 そうなっている場所が多いけれどというのです。
「ここはね」
「充実しているし」
「人も多いし」
「ずっといたい位ね」
「そうだね」
 先生は駅前で皆の言葉に笑顔で頷きました。
「僕もそう思うよ」
「いい場所にはずっといたい」
「どうしてもそう思うね」
「それを言うと長崎の街自体そうでね」
「ハウステンボスもだけれどね」
「全くだね。けれど神戸もそう思うから」
 先生はにこりと笑ってお話しました。
「またね」
「うん、戻ろうね」
「トミーや王子も待っているし」
「日笠さんだってね」
「どうしてそこでまた日笠さんが出て来るのかな」
 先生はそのことはわかりませんでした、そうしたお話をしながら駅前やその周りをフィールドワークしていますと。
 ふとです、皆ある人に気付いて先生に囁きました。
「先生見て」
「あの若い白人の人だよ」
「ハウステンボスにいた」
「あの人だよ」
「そうだね」
 先生もその人を見て言いました。
「あの人だね」
「ハウステンボスから来たんだ」
「この長崎に」
「そうしたんだ」
「何かね」
 先生は考えるお顔で言いました。
「あの人が長崎に来たら」
「尚更だよね」
「蝶々夫人だね」
「確かにピンカートン中尉を思わせる外見だし」
「だからね」
「そうだね、若しだよ」
 先生は奇麗に整えた金髪の青い目のその人を見つつさらに言いました。
「あの人がアメリカ人なら」
「尚更だね」
「中尉だね」
「そのままになるね」
「まさに」
「うん、蝶々さんを思わせるアジア系の女の人とも擦れ違ったし」
 このことも言う先生でした。
「これはね」
「尚更だよね」
「運命を感じるね」
「蝶々夫人の」
「そうなるね」
「全くだよ」
 こう皆に言うのでした。 
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