八条学園騒動記
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第七百八十八話 勉強することその四
「周りが必死に止めても罵ってだったら」
「助ける価値もないね」
「そうよ、白痴漢と同じよ」
「白痴だね」
「そうでしょ、そこまでいくと」
最早というのだ。
「そうなるしね、大体ね」
「大体?」
「何でそこまで馬鹿になったか」
蝉玉は考える顔で言った。
「不思議よ」
「あれだよ、まともに生きていないからだよ」
スターリングはすぐに答えた。
「まともに勉強してなくて社会も経験してなくて」
「それでなのね」
「まともな人とも会ってこなかった」
「大人でもだね」
「それで本も読まないで」
「教養もない」
「品性もなくてね」
そうした要素も備えておらずというのだ。
「それでね」
「そこまで馬鹿になるのね」
「境界知能っていうけれど」
この時代もこの言葉は存在している。
「それは生まれつきじゃないんじゃないかな」
「人生でなるのね」
「そうであってね」
それでというのだ。
「碌でもない人生歩んできたから」
「馬鹿になるのね」
「そう考えるよ、僕は」
「生き方ね」
「ちゃんと勉強して」
そうしてというのだ。
「ちゃんとした人に会ってお話もして」
「それでちゃんとした本を読む」
「テレビの番組やネットのチャンネルも」
そうしたものもというのだ。
「もうね」
「碌なものを観ないね」
「偏見とデマと憶測ばかりの」
そうしたというのだ。
「後自分が見たいものをね」
「言ってるだけだね」
「しかも自分の都合によく解釈した」
「自分が見たいものをそうしたら」
「それこそ黒でもね」
「白になるね」
「そうしたとんでもないものになって」
それでというのだ。
「見てもね」
「害になるだけだね」
「そんなのばかり読んで」
そうしてというのだ。
「観てると」
「馬鹿になるね」
「どうしようもない位にね」
「それであれだよね」
トムは眉を顰めさせて言った、それはそうした輩共に対するこれ以上はないまでの軽蔑を表したものだった。
「馬鹿がさらに馬鹿になって」
「どうしようもなくなるのよ」
「そうだよね」
「昔ね」
ペリーヌはこうも言った。
「テレビを観たら馬鹿になるって言われたのよ」
「ああ、テレビの言うこと鵜呑みにするから」
「テレビってお家にあったらね」
「普通に観るね」
「そうでしょ」
「うん、それで点けたら」
そうすればというのだ。
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