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世界の礎

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第六話 香辛料もその十二

「海にもな」
「進出しますか」
「その準備も進めるか」
 こうも言うのだった。
「これからは」
「海ですか」
「そちらもか」
「地中海やペルシャ湾だけでなく」
 キトが言ってきた。
「さらにですか」
「太洋にもな」
「進出するのですか」
「やがてはな」
 こう話した。
「そして領土をな」
「拡大しますね」
「そうする」
「海の向こうにも」
「そうもしていく」
 今度はというのだ。
「その為の船もだ」
「建造しますか」
「今の船達よりも遥かにな」
「大きな船を造るのですね」
「それも大船団でな、鄭和のだ」
 この神霊の名を出した、明代の大提督はこの世界においては航海や海を司る神霊になっているのだ。
「大船団をだ」
「もうけるのですか」
「そうだ」
 キトに話した。
「やがてはな」
「そうしてですか」
「大洋を越えてな」
 そのうえでというのだ。
「領土を拡大する」
「別の大陸に行くのですね」
 こう言ったのはカニだった。
「左様ですね」
「そうだ」
 その通りだとだ、義青は答えた。
「やがてはな」
「新たな大陸ですか」
「今我々はアジア、アフリカ、ヨーロッパに領土を持っているが」 
「やがてはですね」
「新大陸、アメリカにもだ」
 地図を出しつつ言った。
「領土を拡大する、オセアニアにもな」
「そうしていきますか」
「また地下世界にもな」 
 そちたにもというのだ。
「進出する」
「あの世界にも」
「そしてだ」
「世界を統一されますか」
「そうして世界全てにな」
 まさにというのだ。
「礎を築く」
「そうしますか」
「そうする、だが急ぎはしない」
 決してというのだ。
「ことには順序があるからな」
「順序を守りですね」
「一つ一つ的確にだ」
「進めていきますか」
「階段は急いで渡るとどうなる」
 カニに問うた。
「あまりにも焦ると」
「転びます」
 カニはすぐに答えた。
「そして階段で転びますと」
「大怪我をするな」
「はい」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。 
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