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世界の礎

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第四話 海その七

「いいな」
「そうするのですか」
「今度はな、技術もだ」
 こちらのこともというのだ。
「書に書いてだ」
「図書館に集める」
「そうするのだ」
「義青様が今まで出された知識も」
「当然だ」
「それでは」
「うむ、しかしだ」
 ここでだ、義青はこうも言った。
「我が帝国の技術は他国から観るとな」
「不思議なものです」
 カニが答えた。
「実に」
「真似出来ない様なものだな」
「農業でも他のものでも」
「そうだな、だがそういった知識もな」
「全てですね」
「書いてな」
「書としてですね」
 こう義青に言った。
「図書館に収めますね」
「そうする、しかしだ」
 ここで義青はこうも言った。
「署は一冊ではない」
「といいますと」
「どの書も複数だ」
 一冊ではなくというのだ。
「書き残すのだ」
「そうするのですか」
「数冊ずつ映してな」
 書いたものをというのだ。
「図書館に置く、そして別の場所にもな」
「書を置くのですね」
「そうする、また早いかも知れないが」
 出すにはというのだ、義青は出すべき知識は今この時に出していいものを考えそうして出しているのだ。
「印刷を教えよう」
「印刷ですか」
「文字を刻む」
 まずはというのだ。
「その刻んだ文字にインクを付けて紙に押し付ける」
「そうするのですか」
「そうすればその紙に文字が映るのだ」
「そうなるのですか」
「ただしその文字はな」
 それはというのだ。
「左右逆にする」
「そうしますか」
「鏡と同じだ」
 コムに話した。
「鏡に映る自分は左右が違うな」
「真逆です」
「そうなるのと同じでな」
「印刷の術もですか」
「同じだ、左右逆にした文字をだ」
 それをというのだ。
「インクを付けてな」
「紙に押し付けると」
「その文字になる、この印刷も用いてな」
「書を数冊ずつですか」
「もうけてな」
 そうしてというのだ。
「書を増やし」
「そのうえでそれぞれですね」
「保管するのだ」
 そうするというのだ。
「図書館に何があろうともだ」
「書が残る様にしますか」
「そうするのだ」
 こう言うのだった。 
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