世界の礎
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第四話 海その六
「農具も工具も出してな」
「人手が少なくなる様にして」
「そうもしているしな」
「奴隷は廃止ですね」
「確かにある程度の世なら必要だ」
奴隷は大切な人手であったことも事実だ、だから義青が起きた世界でも長い間存在していたのである。
「しかしな」
「義青様はですね」
「不要な社会にしている」
「農具や工具によって」
「そうしているのだ」
「奴隷は用いるべきでない」
「それよりも平民を増やしてな」
彼等をというのだ。
「その力だ」
「我々に必要なのは」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「彼等に文字もだ」
「教えますね」
「そうする、また算盤等も出したが」
「計算ですね」
マホが応えた。
「それを容易にする様にしますね」
「計算も必要だからな、また紙を出したが」
「有効に使えています」
「紙に書くものはな」
「インクですね」
「そして羽根のペンを生み出し」
そうしてというのだ。
「筆も出したが」
「そうしたもので、ですね」
「書いていくのだ、また平民達も出来るだけだ」
彼等もというのだ。
「書いてだ」
「覚えていくのですね」
「そうするのだ」
実際にというのだ。
「これからはな」
「読み書きはです」
内務大臣の犬人の女であるモルが応えた。
「今までは貴族や神職にある者達がです」
「出来たな」
「そうでしたが」
「彼等だけでなくだ」
「平民達もですか」
「出来る限り教えていってな」
そうしてというのだ。
「出来る様にする」
「そうしていきますか」
「読み書きが出来るとな」
そうなればというのだ。
「それだけ優れた能力を備えられる」
「物事がよりよくわかる様になるので」
「だからだ」
「教えていきますか」
「読み書きもな」
こちらもというのだ。
「それでいいな」
「それでは」
「そしてだ」
さらに言うのだった。
「優れた人材を揃える、また各地の学問や記録は調べ集め書き残してな」
「そうしてですか」
「図書館を築く」
その場所をというのだ。
「都にな」
「そうしますか」
「そして知識の集積地として用いる」
そうするというのだ。
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