ゲームの世界に入った俺は伝説のサムライになりました。
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
プロローグ
プロローグ
ー京四郎視点ー
俺名前は厳島 京四郎(いつくしま きょうしろう)、現在大学2年生の19歳
アニオタでゲームオタ。
そして…俺は前世の記憶を持っている。
いや、別にネタじゃなくて、本当にあるのだ。
正直始めは困惑した、だって車にひかれた後、自分が赤ちゃんになっていたんだ。
誰だって困惑する。
赤ちゃんライフを過ごし、その後も普通に過ごしてきた俺。
特に事件もファンタジーな事にも巻き込まれず、平和な日々を過ごしている。
始めは何かチートがあるんじゃないかと調べたが、結果はさんざんで
自分にはチートがないと分かった。
しかしチートが無くても、前世のような貧弱坊やは嫌だったので体を鍛えることにした。
まあ、若いうちから鍛えた分、どんどん体力が上がっていくのが楽しくて現在まで続けて来れた。
頑張った成果はスポーツなどに影響が出て小学生のときから体育の成績はよかった。
もちろん前世の記憶を持っている俺は勉強面もかなりできていて、そのお陰か前世で呼ばれたい
呼び名トップテンに入るであろう、神童と呼ばれた。
まあ、それもそのはず俺は前世ではオタでありながらかなり優秀な大学に居たのだ。
これくらいは出来て当然である。
ともかく、そんな感じで学生生活をエンジョイしているのだがこの間事件があった。
別にファンタジーや巨大な組織の陰謀とかそんなんじゃない。
大学の先生が人気のない所で女子生徒にセクハラをしようとしていたのだ。
俺はすぐさまその様子をケータイで写真を撮り。
俺が今にも女子生徒の豊満な胸に触ろうとする手を掴む。
「な、何をするんだ君は!教授である私に暴力を振るうのかね!?」
すると暴力でも振るわれるのかと思ったのか、かなりビクついている。
このセクハラ教授、俺よりもチキンじゃね?
自称キングオブチキンな俺だが、自分よりもチキンな奴には強気に出れるという、
人が聞いたら軽蔑の眼差しを向けられるであろうスキルを所持している。
この後、スキルを発動させ強気に出た俺はセクハラ先生の手を離し先程撮影したモノを見せ、
もうしないと誓わせた。
そして、女子生徒にお礼を言われた後、俺達はお互いに自己紹介をした。
「わたし一年の渡辺 理沙(わたなべ りさ)よろしくね」
「俺は、厳島 京四郎。よろしく」
お互い自己紹介をしたのはいいが彼女のけしからんおっぱいを見ないようにするのは大変だ
なぜなら、ここでおっぱいを見たらせっかく勇気を出して助けたのに嫌われてしまうからだ。
俺はかなりの神経をすり減らし見事渡辺さんのおっぱいを見ずに、渡辺さんとメール交換をして帰った。
そして何通かのやり取りをしていたのだが、春休み前の三月十三日、渡辺さんと連絡がつかなくなってしまった。
もしかしたら単位を出来るだけとって家族で旅行に行ったのかもしれない。
仕方がない事だと思い、連絡は彼女が帰ってくるまで待つことにした。
さて、俺も春休みになってしまえば家族は弟以外いなくなるわけで余裕でオタクライフをエンジョイできる。
なぜなら弟は俺と同じゲーム廃人だ、必ず部屋に引きこもる。
だから俺がオタクであることに気づく可能性はかなり低い。
俺は意気揚々と自宅に帰り、この間から地味にプレイしている『ギャスパルクの復活』をプレイする。
レベルもまだまだだから、この春休みで攻略してやる。
そして3月20日の現在
ふ~む、難しい……。
徹夜に徹夜を重ねてプレイしているが、かなり難しい。
春休み前の50レベルが今や廃人クラスのレベル100を超えた俺だったが現在やっている
クエストが難しい。
俺が現在やっているクエストは高レベルのキャラクターのみが受けることの出来る
クエストで『伝説の壬生一族を探せ!』である。
このイベントクエストに成功すると報酬としてサムライ専用の技術書『無明神風流殺人剣』と
大太刀『真・村正』が手に入るのだ。
だが、モンスターを倒しながら大陸を回っているのに未だ壬生一族が見つからない。
そろそろ諦めて別のクエスト受けようかな?
そう思った時だ。森の中を進んで居たら目の前に小屋のような物を見つけた。
NPCの家か?
とりあえず気になった俺は、小屋の中に入る。
すると………。
『クエストクリア』
『真・村正』と『無明神風流殺人剣』の技術書を報酬として手に入れました
と、画面に大きく表示された。
え……マジで?
伝説と言われているのだから城のような所に居ると思っていたのに……。
正直思いもよらない所でクリアしてしまったので嬉しいやら突然のクリアに戸惑うわ
感情がごちゃごちゃしていて素直に喜べない。
まあ、いいや。一旦バックアップ用のデータに上書き保存して。
さっそく、技術書を読んで無明神風流殺人剣を覚えよう。
セーブした後、持ち物のコマンドを選択して技術書を使用する。
すると注意書きが出てきた。
『無明神風流殺人剣を覚えると他の技が使用不可能となります。よろしいですか?
はい・いいえ』
もちろん『はい』を選択する。
『無明神風流殺人剣を覚えました。
『みずち』を覚えました。
蜃を覚えました。
奥義・朱雀、玄武、白虎、青龍を覚えました。
最終奥義・黄龍を覚えました』
ふむ。どうやらこの技術書は技ではなく流派の技術書の様だ。
簡単に解釈すると専用職のみが覚える事の出来る技を技術書にまとめた感じなのだろう。
そう思って画面を見ていると、NPCが話しかけてきた。
こちらから話しかけないと反応しないNPCが反応したという事はクエスト達成のイベント
だろう。
『無明神風流殺人剣の担い手となった貴方には壬生一族の力を差し上げましょう』
『スキル『鬼の眼』を覚えました』
スキル『鬼の眼』?
画面がピカっと光った後、覚えたスキルが表示されたのでステータスを見る。
スキル・鬼の眼
戦闘の際に発動し、ダメージを受けるたびにステータスを上昇させる。
うわ!なんてチートスキル!!さすが高レベルクエストのイベントだ!!
よっしゃ!このままモンスターを狩まくってレベルをどんどん上げるぞ!!
目指せLVカンスト!!
だけどさすがに疲れた……。
クリアして安心したのか凄く眠い……。
早くゲームの電源を落として、ね……ない…と。
すー……。
☆
はっ!?
いかんいかん、すっかり寝てしまった。
早くテレビとゲーム機の電源を消さないと……
起き上がりゲーム機がおいてあった場所に手を伸ばすが何も無い。
ん?
不思議に思った俺は周りを見渡す。
すると、どうだろうか。
ゲーム機どころか俺の部屋が消失しており、俺の周りは森森森森ひたすら森の
大自然だった。
ホワイ?
何ぞこれ?
俺の家は?俺のゲームは?俺の漫画は?
まさかの夢か?
度惑いに戸惑う俺だがしばらくテンパルと混乱も一周して冷静になった。
うん、とりあえず歩こう。
このまま、居ても自体が進展するとは思えないし、歩けば道に出るかもしれない。
俺は草木を掻き分けて、進む事にした。
~一時間後~
歩くのが地味に辛くなってきた頃。
小さな小屋を発見した。
「助かった!!」
ようやく、あての無い道を歩くという拷問から解放される!!
さっきまでの疲れた気分はどこえやら、俺は小屋の玄関近くまで駆け寄った。
?
すると何故だろうか?この小屋を何所かで見た気がする……。
確か……『壬生一族を探せ!』のクエストをクリアした時に入った小屋がこんな感じ
だった気がする。
……。
まあ、いいか。
偶然だろ。
この世の中にゲームに出てくるそっくりな小屋の一つや二つはあると思った俺は、小屋の
扉の前で中に居ると思われる住人に向かって声を掛ける。
「すみませーん」
……
「道を聞きたいのですけどー」
…………
「誰か居ませんかー?」
返事が無い、まるで屍のようだ。
って、現実逃避している場合じゃない。
とりあえず、住人が帰ってくるまで待ってみよう。
小屋の近くのイスにちょうどいい岩があったので住人が来るまで座って待ってみることにした。
おしりがひんやりして気持ちいい。
岩に座る事、数時間。
辺りは完全に真っ暗になり、空には星が輝いている。
やべぇよ、結局誰も帰ってこなかったよ。
もしかしてこの小屋には誰も住んでいないのではないか?
そう思った俺は、小屋の戸を開けた後、中に入り様子を探る。
小屋の中は何もなくあるのは大きな刀と、手紙のみ。
手紙を勝手に見ては失礼だとは思ったが、今は緊急事態で少しでも情報がほしい。
俺は申し訳ないと思いながらも手紙を手に取り、それを読む。
『小屋を見つけ、この手紙を手にとって読んでいるあなたは相当なLVの強者であると思います。
そんな貴方にお願いがあります。
私が生涯をかけて製作したこの刀『真・村正』を使っていただけませんでしょうか。
このまま、この刀が誰にも使われず朽ちてゆくのは、もうすぐ
病で死ぬ私にとって、とても心残りなのです。
ですがもし、職に合わないと言うのであるなら、高LVの誰かに譲るなり売るなりして
いただいて構いません。』
なんてこった。
手紙じゃなくて遺書じゃねーか!
つーか!LVってふざけてるのか!?
ゲームじゃねーんだよ!こっちはマジなんだよ!!
持ち物とかステータスも表示されねーんだよ!!
その時だった。ふとゲームという単語で、とある刀の名前を思い出した俺は
手紙の中に書いてある、刀の名前に注目する。
『真・村正』
間違いなく、俺がテレビゲームの『ギャスパルクの復活』で手に入れた刀の名前だ。
そして、この小屋の中も良く思い出してみたらそっくりだ。
あの壬生一族のMPCがいた殺風景なあの部屋に……。
つまり俺は……。
ゲームの世界にトリップしたのか?
☆☆
手紙を読んだ後、小屋で一晩過ごした俺は、護身用に頂いた『真・村正』を
手に、ある場所を目指した。
もし……俺の予想、『この世界はゲームの世界だったんだよ!』説が正しければ
このまま西に向かうと『王都ガライア』があるはずだ。
お腹が減り体がだるくなるのを感じながらも草木を手で払い、前進また前進としていく。
あ~、腹減った。
ぐーと鳴るお腹を押さえ、後どれくらい歩けば辿り着くか?
本当にあるのか?実は無いのではないだろうか?
そんな不安な気持ちもどんどんと、のしかかって来ては歩く足を鈍くする。
もう、いっそ死んだほうが楽なのではないだろうか?と思ったその時。
奇跡が起きた。
「あ……あった」
ゲームでだが、見覚えのある門に跳ね橋。
俺の予想をこれでもか!って位に証明するもの。
つまり俺は……ゲームの世界にやってきてしまったようだ。
ページ上へ戻る