| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

人にも是非

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

「神々が独占してはな」
「よくありませんか」
「人は楽しみもあってだ」
 そうであってこそというのだ。
「暮らしていける、むしろだ」
「楽しまなければ」
「駄目だ、善行と楽しみはだ」
 この二つはというのだ。
「必ずだ」
「人が行うものですね」
「そうであるからな」
 それ故にというのだ。
「酒をな」
「人に伝えますか」
「造り方を教えてな」
 そうしてというのだ。
「飲ませよう」
「それではこれより」
「人に教える」
 イシスに笑顔で言ってだった。
 オシリスは実際に人間達の前に降り立って酒の造り方と飲み方それに飲めばどうなるかを教えた。こうしてだった。
 人間達は酒を飲む様になった、ラーはそれを見てオシリスに言った。
「そなたはまたいいことをしたな」
「人間達に酒を伝えて」
「これまでも数多くの善行をしてきたが」
「このこともですか」
「神々だけが楽しむなぞだ」
 そうしたことはというのだ。
「よくはない、いいものはな」
「人間達も楽しむ」
「そうでなければならない」
「人間達を楽しませるのも神々の仕事だからですね」
「この世のそれぞれのものを司りな」
 そうしてというのだ。
「彼等をそうすることもだ」
「務めなので」
「よいことをした、ではな」
「はい、人間達にはですね」
「これからもだ」
 ラーはオシリスに微笑んで話した。
「他のことと同じくな」
「酒もですね」
「楽しんでもらおう」
「そして幸せにですね」
「生きてもらおう」
 人間達にはとだ、こう言ってだった。
 ラーはオシリスと共にビールを飲んだ、そのビールはとても美味く彼等は自然と笑顔になった。そして酒を楽しむ人間達を見てさらに笑顔になったのだった。


人にも是非   完


                     2024・9・13 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧