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金木犀の許嫁

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第五十話 汗水流してその十一

「あの人心臓麻痺か何かでお亡くなりになってるわね」
「おトイレでね」
「そのことと関係あるのかしら」
 肥満と、というのだ。
「やっぱり」
「薬物かもって言われてるわ」
「そうなの」
「その辺りは不明だけれど」
 それでもというのだ。
「急に肥満したことは事実ね」
「ドーナツばかり食べて」
「ドーナツってそれだけね」
「カロリー高いのね」
「甘いし揚げてるから」
 だからだというのだ。
「そうよね」
「そう、だからね」
 夜空もそれでと答えた。
「あまりね」
「食べ過ぎたらよくないわね」
「それでアメリカだと」
「ドーナツよく食べるから」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「アメリカでは太ってる人多いのよ」
「他のお料理もカロリー高いし」
「だから問題なのよね」
「けれど日本だと」
 佐京があらためて言ってきた。
「ずっとカロリー少ないから」
「身体を動かしていたら」
「太らないよ」
 夜空に微笑んで話した。
「歳を取ってもね」
「新陳代謝が落ちても」
「そうなってもね」
 それでもというのだ。
「太らないよ」
「そうなのね」
「例え太っても」
 そうなろうともというのだ。
「多少だよ」
「それ位よね」
「学校の皆も言うよね」
「ええ、海外の子達がね」
 夜空は学園の半分を占める彼等の話をした。
「言うわね」
「アメリカの子だってね」
「日本は太ってる人が少ないって」
「それで太ってる人もね」
「然程だって」
「そう言うよね」
「ええ」
 実際にとだ、夜空は答えた。
「いつもね」
「アメリカだけじゃなくて」
 今話しているこの国に限らずというのだ。
「中国やオーストラリア、メキシコ、ブラジルもね」
「太ってる人多くて」
「イギリスもね」
 この国もというのだ。
「そうらしいしね」
「みたいね、それで言うのよね」
 夜空はさらに言った。
「日本人は太ってる人少ないって」
「そうね」
 実際にというのだ。 
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