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八条学園騒動記

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第七百八十四話 海賊の場所その十

「それがね」
「大事だね」
「そうなのよね」
「それが日本だね」
「それでね」
 さらに言うのだった。
「名刀もあるけれど」
「日本だと刀の質よりも」
「その人がどうかよ」
「剣豪なら無敵だね」
「これは弓矢だけれど」
 刀でなくというのだ。
「為朝さんもね」
「源為朝さんね」
「義朝さんの弟さんだった」
「滅茶苦茶強かったんだよね」
「弓が凄くて」
 その活躍は保元物語にある。
「それでね」
「その弓矢はどうだったか」
「特にね」
「特別のものじゃなかったんだね」
「そうなのよ」
 これがというのだ。
「為朝さん大きかったらしいから」
「大きな弓矢だね」
「そうだったと思うけれど」
 兎角大柄であった、この時代の連合の者達から見ても全く遜色ないまでの体格の持ち主であったのだ。
「別にね」
「その弓矢はどうとかじゃなくて」
「為朝さんご自身がね」
「凄かったんだね」
「まさに無敵で」
 弓を手にすればだ。
「誰も近寄れない、船だってね」
「船も?」
「沈めた位のね」
「流石にそれは」
 トムはその話を聞いて流石に引いた。
「ないんじゃないかな」
「まあこれはね」 
 ペリーヌ自身も言った。
「流石にね」
「伝説だね」
「兎に角そこまで弓の腕が凄くて」
「強かったんだね」
「それでその弓矢は特別か」
「違ったから」
「日本だとね」
 この国ならというのだ。
「名刀とかが問題じゃなくて」
「使う人の腕だね」
「だから倭寇も」
 今トムが扮している彼等もというのだ。
「強かったらね」
「普通の刀でもだね」
「強かったのよ」
「そういうことだね」
「只でさえ切れ味抜群だったけれど」
 日本刀はというのだ。
「それに加えてね」
「倭寇が強かったのは有名だけれど」 
 悩まされた国、歴史上とはいえそうである蝉玉が言ってきた。
「個人的にはね」
「どうかな」
「いや、刀がね」
 これがというのだ。
「鉄砲と合わさって」
「脅威だったのよね」
「その切れ味がね」
 まさにそれがというのだ。
「物凄かったのよ」
「真っ二つになる位かな」
 スターリングが言ってきた。
「切られたら」
「多分ね」
 蝉玉は否定しなかった。
「どうやらそこまでね」
「本当に切れ味が凄くて」
「明軍も参ってたのよ」
「そうだったんだね」
「いや、やっぱりね」
 蝉玉はあらためて言った。 
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