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世界の礎

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第三話 統制その四

「そうしたのだ」
「そして他国より遥かに人を多くし」
「その力でな」
「あまり戦わずにですね」
「これだけの国にした、大きな相手とは誰も戦わない」
 こう言うのだった。
「勝てないからな」
「戦わずして勝つですね」
「それが最善だ、強く富み巨大であるならだ」
「それだけで力ですね」
「そうした国でありな」
 そうしてというのだ。
「穏健で善政を敷くならばだ」
「多くの国が入りますね」
「そうなる、だからだ」 
 それ故にというのだ。
「私はまずだ」
「国を豊かにされていますね」
「人を増やしな。収穫の高い作物があれば」
 米やジャガイモがというのだ。
「食べるものが多くだ」
「餓える者が減り」
「そして余裕も出来てな」 
 収穫高にというのだ。
「その分人が増える、事実だ」
「ウルは人が増えました」
 その王であるカニの言葉だ。
「そして今もです」
「増え続けているな」
「そうなっています」
「他の街も村もな、そして増えた人口をだ」
 これをというのだ。
「戸籍をもうけてだ」
「戸籍ですか」
「それぞれの街や村を調べてな」
 カニにそうしてと話した。
「何軒の家がありそれぞれの家に何人暮らしているか」
「そうしたことをですか」
「把握するのだ、人口を把握してな」
 国家がというのだ。
「そこから政を行う様にするのだ」
「そうしますか」
「今度はな」
「法に加え」
「出来れば家畜の数も把握する」
 そちらもというのだ。
「牛や馬もな」
「豚や羊もですか」
「そうするのだ、いいな」
「わかりました」
 カニはそれではと応えた。
「その様にです」
「していくぞ」
「わかりました」
「そしてだ」
 さらに言うのだった。
「家畜を言ったが乳製品も増やす」
「チーズやバターを」
「ヨーグルトもな」
 こうしたものもというのだ。
「増やす、そして民の糧とし」
「売りもしますか」
「そうする、そして利も得るのだ」
 売りもしてというのだ。
「いいな」
「それでは」
「また酒も造る」
 家畜の乳からというのだ。
「酒は今は麦や米、また葡萄からもだ」
「造っていますが」
「牛や馬の乳からもな」
「造るのですね」
「そして売る」
 そうしていくというのだ、義青はカニそして他の者達に対してそうしたことも丁寧に話していくのだった。 
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