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ハッピークローバー

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第百五十六話 祭りの中でその九

「日本がやることになったのよ」
「そうなのね」
「それでも今もコツコツとね」
 そう言うべき調子でというのだ。
「やっていってるのよ」
「そうした経緯があったなんて」
「だから私日本好きよ」
 一華にここでも笑って言った。
「暮らしていてもいい感じだしね」
「災害多くても」
「それだけは嫌だけれどね」
 それでもというのだ。
「災害もなかったら言うことなしだけれど」
「それは仕方ないわね」
「何でも完璧ってないから」
 こうも言ったのだった。
「日本は災害もあるってことでね」
「受け入れてくれてるの」
「ええ、それでね」
「そうなのね」
「本当に災害がなかったら」
 それならというのだ。
「日本は最高よ」
「毒蛇も猛獣も怖い妖怪もいなくて」
「食べもの美味しくて景色が奇麗で」
 そうであってというのだ。
「気候は過ごしやすくていい人多くて街は賑やかで奇麗」
「だからなのね」
「とてもいい国よ」
 そうだというのだ。
「大学卒業したら戻るつもりだけれど」
「それでも」
「そう、けれどね」
「いい国だって思ってくれるのね」
「だからね」
 その為にというのだ。
「日本のこと忘れないし機会があったらまたね」
「来てくれるのね」
「そうしたいわ、けれどそれは未来のことで」
「今はっていうと」
「そう、大学卒業まではね」
 それまではというのだ。
「ずっとね」
「いてくれるのね」
「ええ」
 そうだというのだ、
「日本、この神戸にね」
「じゃあ宜しくね」
 一華はカンボジアの娘の言葉を受けて彼女に笑顔で応えた。
「これからも」
「お互いね」
「それで」
 さらに言うのだった。
「日本の色々なもの見てね」
「そうさせてもらうわね、海だってね」
「海もなの」
「だってカンボジア海あっても問題あるから」
「そうよね」
 一華も言われて頷いた。
「カンボジアは」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「本当にね」
「海を見たいのね」
「日本にいる間はね」
「そうなのね」
「海があるってことは」
 それはというと。
「それだけで嬉しいのよ」
「それ内陸の国の子言うわね」
「でしょ?そうした国も結構多いでしょ」
「日本でも都道府県によってないしね」
「奈良県とかね」 
 カンボジアの娘は明るい声で話した。 
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