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夢幻水滸伝

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第三百七十六話 九尾の黒猫と共にその十

「今も」
「いえ、宮殿に住まれて酒池肉林で豪奢な服を着て」
「いや、今の生活で満足してるから」
「市長さんの別邸だったお家に住まれて」
「使用人さん達もいてくれるし」
 住み込みの人達がいるのだ。
「ちゃんと食べられて服もベッドもあるやん」
「充分贅沢ですか」
「しかもお風呂入れるし。あたし別に起きた世界でも苦しい生活してへんけど」
 コロンビアでも日本でもだ、そうしているのだ。
「そやけどね」
「それでもですか」
「今の生活なんて」
「贅沢ですか」
「そう思ってるさかい」 
 自分自身ではというのだ。
「別にやで」
「ご自身のことにはですか」
「お金使わんで」
 そうだというのだ。
「ほんまに」
「左様ですか」
「どうも星の子は大抵そうみたいやね」
「普通の暮らしで満足されますね」
「そんなどっかの独裁者みたいに」
 そうした感じでというのだ。
「巨大な宮殿建てて酒池肉林とか蓄財はせんで」
「そうなのですね」
「それで趣味も楽しめたら」
 個々のというのだ。
「ええし」
「だからですか」
「贅沢って今でそやで」
「そうなのですね」
「まあお寿司とかお刺身食べられたら」
 自分が起きた世界で今現在暮らしている国の料理も話した。
「ええけどね」
「和食ですか」
「そやで、ボドタにもあるけど」
「時々通っておられますね」
「美味しいけど」
 それでもというのだ。
「日系人が経営も調理もしてて」
「狼人のおじさんがオーナーですね」
「そやけどやっぱり本場の味とちゃうねん」
 日本のそれと、というのだ。
「お醤油の使い方とかな」
「そうしたものが違いますか」
「あたしとしては本場の」
「日本のお寿司が食べたいのですか」
「お刺身もやで」
「そうなのですね」
「それが食べられたら」
 本場の日本料理がというのだ。
「それがやで」
「最高ですね」
「そやで」 
 こう言うのだった。
「贅沢やで」
「そうなのですね」
「まあないさかい」
「ボドタに本場の和食は」
「コロンビア全体を見ても」
 こちらの世界のというのだ。
「そうやしね」
「だからですね」
「そこは妥協して」
「コロンビアのお店に行かれますか」
「そうするで。それにそっちはそっちで美味しいし」
 コロンビアの和食もというのだ。
「祖国の味にアレンジされてて」
「私はいいと思います」
 黒猫は自分の好みを述べた。 
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