おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその七十三
「私の盾になってくれるつもりでしょ」
「それは当然と思いまして」
「その気遣いがね」
本当にです。
「嬉しいのよ」
「そうなんですね」
「だからね」
新一君にさらに言いました。
「一緒だとね」
「先輩も嬉しいですね」
「ええ、じゃあ今日も詰所までね」
「帰りましょう」
「二人でね」
こうしたお話をしてでした。
私は先輩とお別れして新一君と一緒に詰所に帰りました、この時も商店街の中を歩いていきましたが。
新一君は真面目な顔で私に言ってきました。
「あの人いい人かも知れないですね」
「だから前から言ってるでしょ」
私は眉を曇らせて答えました。
「あんないい人いないわよ」
「じゃあ何でそんな人が利いてることしたか」
「私そのお話信じられないけれど」
今もです。
「誰でも間違えるんでしょ」
「そうしたこともありますか」
「いい人か悪い人かかじゃなくて」
そうでなくてです。
「間違える時、悪いことをする時がね」
「あるんですね」
「誰だってね」
「そういうことですか」
「新一君だってそうでしょ」
かく言う私もです。
「悪いことするでしょ」
「そう言われますと」
「それと同じでね」
「誰だって間違えますか」
「私だってそうよ」
自分のことも言いました。
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