八条学園騒動記
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第七百八十一話 もてるからこそその十
「気になるな」
「鬼の島じゃなかったら」
「ああ、ハーレムっていうけれどな」
「実際どんな島か」
「気になるな」
「島全体が遊郭じゃないかな」
ベンはフックに少し考えてから答えた。
「多分だけれど」
「遊郭か」
「そう、美人さんばかりでね」
「酒池肉林のか」
「そっちの意味のね」
色のことでというのだ。
「そうじゃないかな」
「女好きにはたまらない場所か」
「当時から考えるとね」
「そうなんだな」
「そしてね」
それでというのだ。
「浮世ノ介さんは死ぬまで遊ぶんだな」
「酒池肉林でね」
「つくづく凄い結末で凄い島だな」
「僕もそう思うよ」
「しかしな」
フックは女護ヶ島についてこうも言った。
「当時だと日本人だけか」
「島にいるのはね」
「今の連合だと連合中からな」
「色々な国からね」
「民族も人種も関係なくな」
それこそというのだ。
「女の人が集まるな」
「凄い島になるね」
「そうなるな」
「そうだけれどね」
それでもというのだ。
「それがね」
「江戸時代の日本だとか」
「どうしてもね」
「日本だけか」
「鎖国してたし」
貿易等他国との交流を長崎の出島で行うだけにしていたのだ、そしてそれを行うのは幕府だけであったのだ。
「女の人も」
「日本人しかいないか」
「海外の情報は入っても」
それでもというのだ。
「別世界のことで」
「西鶴さんもよく知らないか」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「あの人日本のことしか書いてないから」
「オランダのこともか」
「蘭学とか後のことだしね」
徳川吉宗の頃からであり田沼時代に定着した。
「まだね」
「外国のことを知らないか」
「旅行だってね」
これもというのだ。
「当時の日本凄く盛んでもね」
「日本の中だけだな」
「外国に行くなんて」
それこそというのだ。
「全くね」
「想像しないことだな」
「そうだったしね」
当時はというのだ。
「もうね」
「日本人だけか」
「だから多分ね」
「遊郭か」
「島全体がね」
「そうした島か」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
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