八条学園騒動記
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第七百八十一話 もてるからこそその九
「老中の判断はね」
「軽くなったんだな」
「死罪が永牢とかね」
この時代で言う無期懲役になる。
「そうなってね」
「軽くされるか」
「そもそも死罪にするにも老中、かなり位の高い大臣の人が判断するから」
「かなり慎重だな」
「拷問だってね」
あるにはあったがだ。
「欧州みたいに魔女狩りのね」
「やりたい放題だな」
「死刑みたいな拷問がね」
それがというのだ。
「なかったし、海老責め位で」
「あれも辛いな」
「それを行うにもね」
「老中の人が許さないとか」
「出来なくて普通の拷問もね」
それもというのだ。
「石責めとかね」
「正座させて足の上に石置くな」
「あと棒で打つのも」
そうした拷問もというのだ。
「奉行の人が許さないと」
「出来なかったか」
「法律のコントロール聞いたから」
刑罰や拷問にだ。
「残酷な処刑も禁止されてたし」
「江戸幕府は優しかったな」
「エウロパ貴族の残虐さ見たらね」
ベンは実に嫌そうに話した。
「異端審問とか」
「最悪だよな」
「そんなのと比べたら」
それこそというのだ。
「本当にね」
「ましだな」
「そうだよ、家康さんはずっとね」
「長生きしてか」
「そんな人、仁愛のある人だったんだ」
「そしてそんな人はか」
「稀だったんだ、五十越えたら」
この時代の連合では中年に入った頃である。
「寿命だったから」
「そんな若さでか」
「だから織田信長さんも」
この人物もというのだ。
「人間五十年ってね」
「言ってたんだな」
「そうだったんだ」
「五十が寿命か」
「ずっとね、それこそ何かあったら」
それが今から見ると些細な病気でもというのだ。
「終わりだったから」
「死んだんだな」
「そうだったからね」
それでというのだ。
「六十はもうね」
「お年寄りか」
「寿命を十年越えた」
「それでお盛んか」
「今は本当に八十歳で子供作っても普通だけれど」
このことは女性でもだ、医学の進歩の結果だ。そして外見もかつての八十代より三十は若く活力もあると言われている。
「昔はね」
「六十でそうか」
「五十で寿命でね」
「人生短かったんだな」
「そうだね」
ベンも確かにと頷いた。
「それは」
「本当にそうだな、ただな」
「ただ?」
「女護ヶ島ってどんなところかな」
フックは結末で主人公が行くその島の話をした。
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