夢幻水滸伝
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第三百七十二話 自信のないジェネラルその十五
「そやからです」
「その為ですね」
「これからもですね」
「平和を守っていきたいです、平和であれば」
その平和のことを心から感じながら話した。
「それが幸せの原点の一つですね」
「全くですね」
「まことに」
署長も警官もその通りだと答えた。
「治安が悪かったり戦が行われていますと」
「それだけで不幸です」
「平和であればです」
「やはり嬉しいです」
「また健康で仕事があれば」
こうしたことも話した。
「充分に動けて生活の糧があれば」
「やはり幸せですね」
「その原点にいますね」
「そうだと思います、人はです」
まさにというのだ。
「健康で仕事があり」
「街は平和である」
「そうであってこそですね」
「幸せです、その幸せをです」
自信はなさげだ、だが誓って言うのだった。
「これからも守ります」
「そうされますか」
「これからも」
「そうします、出来ないと思っても」
「それでもですね」
「努力されますね」
「出来ないで終われば」
そうであればというのだ。
「何もならへんです、例え自信がなくても」
「それでもですね」
「努力することですね」
「それがです」
何といってもというのだ。
「大事やと思います、両親にもそう言われてきて」
「アレンカール様からもですね」
「そう言われていますか」
「同級生の皆からも。出来ないで終わっては」
それではというのだ。
「そこまでで」
「何もならない」
「出来ないままですね」
「そう言われて僕もそう思うので」
だからだというのだ。
「努力してきましたしこれからも」
「努力されますね」
「そうされますね」
「勝手に勘違いして自分を偉いと思い」
再びそうした輩の話をした。
「努力せえへんのならです」
「そこまで、ですね」
「何もならないですね」
「そうです、ですから」
「努力されて」
「出来る様になりますね」
「最初は誰も何も出来へん」
こうも言った。
「やってこそです」
「出来る様になる」
「左様ですね」
「そうです、ですから」
そう考えるからこそというのだ。
「僕はやります」
「その意気です」
署長はアマードにその背中を押す様にして言った。
「確かに出来ない、で終わってはです」
「そこまでですね」
「はい」
まさにというのだ。
「その通りです」
「努力してこそ」
警官も言った。
「よくなります」
「そうですよね」
「ですからアマード様は自信がおありでなくても」
「努力することはですか」
「よいことなので」
だからだというのだ。
「これからもです」
「頑張るといいですね」
「そうされて下さい」
「そうですね」
アマードは警官のその言葉に頷いて言った。
「僕はこのままです」
「努力されていかれますね」
「何事に対しても、そして少なくとも」
「少なくともといいますと」
「人の迷惑にならへん様にします」
こう言うのだった、そしてだった。
アマードはアレンカールとの会談の準備が整うと出席した、そして彼と共にこの世界でも歩んでいくことになったのだった。
第三百七十二話 完
2024・10・1
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