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夢幻水滸伝

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第三百七十一話 内政の充実その十五

「暴力は振るわん」
「即ち暴力は人の振るうもんやないのよ」
「獣やもんすたーでものう」
「最低の力ね」
「そうじゃ、そんなもの振るう外道を見て怯えても」
 碧はアマードに話した。
「忘れるんじゃ、わらわが見てもアマードちゃんはよおやってる」
「うん、うち等も言うで」
「アマードちゃん頑張ってるわ」
「努力して結果も出してる」
「ちゃんとしてるで」
 四人も言うことだった。
「ほんまね」
「起きた世界でもこっちの世界でも」
「私等と違って真面目やし」
「親切で優しいし」
「皆の言う通りよ、ガチクズはそのうち天罰が落ちるわ」 
 アレンカールは今度はトマトとチーズを一緒に食べつつ言った。
「悪事ばかりしている奴が好かれる筈ないでしょ」
「嫌われますね」
「自分さえよければいい、底意地の悪い奴と付き合える?」
「やはり無理ですね」
「それで誰からも嫌われてね」 
 そうなりというのだ。
「神様も行いを見てよ」
「天罰を下しますね」
「そして天罰を受けた時」
 まさにその時というのだ。
「嫌われてるから誰もよ」
「助けないですね」
「それか天罰を受ける前に自滅するわ」
 そうもなるというのだ。
「自分の悪事からね」
「そうなりますか」
「そうよ、その教師のことはあたいも聞いてるけど」
 他校の暴力教師はというのだ。
「暴力が警察に通報されて懲戒免職になったわ」
「報いを受けたのですね」
「そうよ、外道はね」
 まさにというのだ。
「そうなることがね」
「運命ですね」
「そうよ、それでね」
 アレンカールはアマードにあらためて言った。
「あんたあたいと一緒になるまでどうしてたの?」
「こちらの世界で」
「そう、よかったらね」
 さらに言うのだった。
「お話してくれるかしら」
「つまらないお話ですがええですか」 
 アマードはアレンカールにこう断りを入れた。
「それでも」
「そう言っておもろないお話はないわ」
 これがアレンカールの返事だった。
「お酒を飲んで食べてね」
「そしてですか」
「お話もおつまみにしたいわ」
「聞かせてもらうけえ」
 碧は牛肉をステーキの様に食べつつ応えた。
「楽しみにのう」
「そうですか」
「そうじゃ、話してくれるか」
 こう言うのだった。
「これからのう」
「聞かせてや」
「うち等も楽しみにしてるで」
「アマードちゃんは友達やしな」
「是非聞かせてや」 
 瑠璃子達四人も言った。
「頼むで」
「お酒飲んでお肉食べて」
「それで聞かせてもらうわ」
「これからな」
「皆がそう言ってくれるなら」
 アマードはそれならとなった、そしてだった。
 話をはじめた、仲間達はその彼の話を微笑んで聞くのだった。


第三百七十一話   完


                   2024・9・23 
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