夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百七十一話 内政の充実その十
「わらわ達の仕事は終わるけえ」
「また別のお仕事に行くのよね」
「そうじゃ、まあそのうちのう」
肉を噛みながら話した。
「綾乃ちゃん達とじゃ」
「日本で一緒にやっていくのね」
「日本人じゃしのう」
だからだというのだ。
「そのうちスカウトが来ると思うわ」
「太宰ちゃんならそうするわね」
アレンカールは綾乃の下で勢力の宰相を務めている彼の名前を出した。
「彼人を集めるのに熱心やから」
「そうじゃ、それで日本でじゃ」
「頑張ってくのね」
「やがてはのう」
「うち等もそうなるやろね」
瑠璃子はここで仲間達に言った。
「やがては」
「そやろな」
由香はまさにと応えた。
「今は便利屋やってるけどな」
「そのうちそうなるやろな」
紗枝も言った。
「日本の星のモンやし」
「太宰さん厳しいけど誘われたらな」
雅美はそれならと仲間達に話した。
「やっぱり日本で働きたいな」
「そう思うなら日本で頑張ったらええわ、ただ太宰ちゃんは確かに厳しいけれど」
アレンカールは鶏肉を食べつつ言った。
「意地悪でもなけれど公平でしっかりしていたら言わないわよ」
「真面目にしている人には優しいですね」
アマードも太宰のことを話した。
「努力していると結果が出なくても」
「頑張って下さいって言ってね」
「責めへんですね」
「失敗してもね」
「向き不向きも見てくれて」
そうした人物だからだというのだ。
「ほんまね」
「ええ人ですね」
「自分が率先して働くしね」
「まさに宰相に相応しい方ですね」
「綾乃ちゃんの勢力は日増しに豊かで平和になってるけど」
「宰相のあの人の存在が大きいですね」
「どう見てもね、あんた達さぼり過ぎよ」
アレンカールは四人に顔を戻して言った。
「あたいが見てもちょっと目を離したらね」
「休憩も必要ですさかい」
「休み休みです」
「やらせてもらってました」
「うち等のペースで」
「あたいが言うならね」
反省の色なぞ全くなく明るく言う四人にさらに言った。
「太宰ちゃんもっと言うわよ」
「ほんまあの人厳し過ぎて」
「遊んでいたら働きなさいです」
「まずは努力とやる気って言われて」
「勤勉は美徳やって言われます」
「太宰ちゃんの言う通りね、あたいはあそこまで働けないけれど」
自分の性格ではというのだ。
「そのあたいが見てもよ」
「うち等さぼり過ぎですか」
「それでいい加減っていうんですね」
「まあ自覚はありますけどね」
「これでも」
「自覚あるならと言わないわ、人として大事なものは全部持ってるし」
四人共というのだ。
「率いる人達の統制もしっかりしてるし」
「この四人いい加減でも人間性はええんじゃ」
碧も言ってきた。
ページ上へ戻る