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夢幻水滸伝

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第三百七十話 後輩であり友人でありその十四

「もう一つあるわ」
「といいますと」
「そもそも監督の際そういうものはね」
「持たせないですね」
「奴隷じゃないのよ」
 怒った様な顔になって述べた。
「そやからね」
「そうしたものは持たせないですね」
「かといって素手や足の暴力もね」
「禁じますね」
「暴力自体をね」
「警戒して」
「人は何か持っていると」
 そうしていると、というのだ。
「それを力を思ってね」
「振るいますね」
「そやからね」
 だからだというのだ。
「そもそもね」
「管理職等には武器を持たせない」
「普通の職場ならね」
「重罪人を強制労働させている場所は別ですね」
「重罪人の人権は考えなくていいでしょ」 
 アレンカールはあっさりと述べた。
「そうでしょ」
「はい、人の人権を阻害したのなら」
「それも酷くね」
「そうした奴は狂暴性もあるし」
「容赦なくですね」
「何かあったらね」
 そうした連中に不審な動きがあればというのだ。
「重罪人なら別に理由がなくてもいいから」
「暴力を振るってもいいですね」
「使い捨てにして結構よ」
 アレンカールはこうも言った。
「そのうえでね」
「重罪人の管理者には武器の携帯を許し」
「そうしてね」
「暴力も許しますね」
「肉体的圧迫ね」
 暴力を政治的にはこう呼ぶ場合がある、スターリン時代のソ連がこう呼称して尋問の際の拷問を合法化した。
「それを行ってね」
「処罰してもええですね」
「アマードちゃんもそれでええでしょ」
「普通の人の人権は絶対に脅かしてはいけません」
 アマードはそれは否定した。
「そやけどです」
「加害者の人権はね」
「そんなものは不要です」
「そやからね」
「武器を用いての暴力もよしです」
「使い捨てにしてもええでしょ」
「凶悪犯ですから」
 だからだというのだ。
「もうです」
「それならね」
「はい、凶悪犯については」
「そうしていくわ、むしろ進んでね」
「人権を剥奪していきますね」
「そうするわ、ほな五人に声をかけるわ」
 こうしてだった。
 アレンカールは日本に日知を送った、碧も四人も快諾してブラジルに入ることになった。ブラジルの統治は一つの転換点を迎えた。


第三百七十話   完


                       2024・9・15 
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