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夢幻水滸伝

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第三百七十話 後輩であり友人でありその十

「ほんまに」
「ええ娘達ね」
「そうですが」
「ええ娘達でもいい加減で怠け者で」
「そやからですか」
「ちょっと目を離すとさぼるってね」 
 その難しい顔で話した。
「あたいも知ってるから」
「そのことは、ですか」
「こっちも気を付けてね」 
 そうしてというのだ。
「あまり怠けるとね」
「注意されますか」
「そうするわ、そやけどね」
 それでもとだ、アレンカールは話した。
「あの娘達やる時やるし人として持つべきものはね」
「全部持っていますね」
「そこが大事なのよ」
「人が持つべきものを全部持っている」
「人は色々抜けていてもね」
 それでもというのだ。
「人として持つべきものってあるでしょ」
「良心や義侠心ですね」
「感謝とかね」
「そうしたものを持ってこそですね」
「人は人になるから」
 アマードに自身の人についての見方も語った。
「そやからね」
「彼女達はええですね」
「さぼることはよおなくても」 
 それでもというのだ。
「それ位はね」
「ええですね」
「そう、それでね」
「四人を雇って内政をしてもらい」
「碧ちゃんもね」
 彼女もというのだ。
「雇うわ、そやけどね」
「国木田先輩は迫りますからね」
「あの娘経験ないのよ」
 腕を組みそのうえで話した。
「男の子と手をつないたことすらね」
「あらへんですね」
「そうよ、そやけどね」
「婿にならぬかで」
「式の後は初夜で」
「四十八手等を」
「普通に言うからね」
 だからだというのだ。
「困るのよ」
「僕も言われたことがあります」
「こっちの世界でも誰彼なくね」
 元からいる者達も入っていることは言うまでもない。
「声かけてるわ」
「国木田先輩らしいですね」
「ええ、そやけどね」
「それが、ですね」
「あたいも興味あるけれど」
 そうしたことにはというのだ、アレンカールもアマードも異性に興味がある。この世界でもそのことは変わらない。
「そやけどね」
「それでもですね」
「あまり強く迫られることはね」
「引きますね」
「そう、そやけどね」
 アレンカールはそれでもと話した。
「あの娘もよ」
「優れた方なので」
「ここはね」
「あの人も雇われますね」
「そうするわ、今はじっくりと腰を据えて」
 そうしてというのだ。 
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