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夢幻水滸伝

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第三百六十八話 ブラジルにてその二

「まずはね」
「はい、お食事ですね」
「それに専念させてね」
「わかりました」
 白い毛のウェイトレスはそれならと応えた、そうしてだった。
 アレンカールはまずは食事を食べた、全て食べ終えた時には満腹して満足していた。そうするとだった。
 ウェイトレスが茶色の毛の中年の男を連れてだ、彼のところに来た。
「父でこのお店の店長です」
「あの、とりあえずお話を」
「お勘定してからね」
「お金なんていいですよ」  
 店長はとんでもないといった声で応えた。
「もうそれはです」
「いいの?」
「はい、星の方からお金なぞ」
「いやいや、お店のものを買って食べたらよ」
 それならとだ、アレンカールは店長に言った、見れば彼と娘のウェイトレスも店にいる客も起きた世界の現代のブラジルの服装だ。ウェイトレスのズボンが動きやすそうだ。
「お勘定はしないとね」
「駄目ですか」
「そやからね」
 財布から金を出しつつさらに言った。
「払うわ」
「それはモラルですね」
「そうよ、お金払わないなんてね」
 そんなことはというのだ。
「あたいは絶対にせえへんから」
「わかりました、ではです」
「お勘定してからね」
「お話をお願いします」
「それじゃあね」
 店長に笑顔で言葉を返した、そしてだった。
 勘定を済ませてから店の奥に案内されるとだ、店長もウェイトレスも言った。
「まさか星の方が来られるとは」
「思いませんでした」
「ですが来て頂けたなら」
「それならば」
「ええ、この世界を救うのが星の人の目的ね」
 アレンカールは猫人の親子に応えた。
「そやからね」
「取り掛かってくれますか」
「世界を救うことに」
「そうさせてもらうわ、けどね」
 アレンカールは二人と卓を囲み向かい合って座って述べた。
「具体的にどうするか」
「おわかりになっていませんか」
「この世界に来たところだから」
 だからだと答えた。
「ほんまね」
「そうなのですね」
「どうしたものかしら」
「ではです」
 店長はアレンカールの言葉を聞いて彼に提案した。
「市長さんと会われてです」
「お話をしてなのね」
「お考えになられては」
「この街の責任者の人ね」
「はい、そしてです」
「今後のことをお話するのね」
「如何でしょうか」
「そうね」
 アレンカールは店長の言葉に頷いて述べた。
「市長さんはわかっている人なのね」
「このブラジルでも出来た市長さんとです」
「知られているのね」
「はい」
 まさにというのだ。 
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