夢幻水滸伝
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第三百六十八話 ブラジルにてその一
第三百六十八話 ブラジルにて
アレンカールはこの世界に来てすぐに声からこの世界そしてこの世界での自分達のことを聞いた、そしてだった。
改めて周りを見回してだ、自分の横にいるケツアルコアトルに言った。
「とりあえず何か食べましょう」
「お食事ですか」
「ええ、お腹が減ってはね」
サンパウロ近郊の森の中で言うのだった。
「何も出来へんからよ」
「戦は出来ぬで」
「他のこともね」
「だからですね」
「そう、それでね」
その為にというのだ。
「まずは何か食べましょう」
「では街に入りです」
ケツアルコアトルは街のアステカの神殿の壁を思わせるの城壁を見つつ話した。
「お店で食べましょう」
「それじゃあね、ただね」
「どうされましたか」
「いえ、城壁だけれど」
そのアステカ風の趣を見て言うのだった。
「西洋じゃないわね」
「はい、こちらの世界の中南米ではです」
ケツアルコアトルは主の今の言葉に答えた。
「この様にです」
「中南米の建築様式なのね」
「そして声から聞いていますね」
「中南米ではアステカやマヤの信仰があるわね」
「インカも」
「そうよね、キリスト教と併存しているわね」
「そうなっています」
こうアレンカールに話した。
「こちらの世界では」
「そうした世界ということね」
「左様です」
「わかったわ、ほなね」
ケツアルコアトルの話をここまで聞いて述べた。
「今から街に入って」
「お食事ですね」
「そうするわ、さて何を食べようかしら」
アレンカールはここであらためて考えて述べた。
「ここは」
「そこはご主人様次第ですね」
「そうよね、思いきり食べたいわね」
アレンカールは自分の腹具合を見て言った。
「そうした感じでまずはお店に入りましょう」
「それでは」
「街に入ってからね」
ケツアルコアトルにこう話してだった。
アレンカールは城門を潜り街に入った、城門の傍にあった食堂に入ってそのうえでメニューを見てだった。
フェジョアーダにムケッカ、そしてアサイーを注文して食べはじめた、すると。
若い猫人のウェイトレスが仰天してだ、彼に言ってきた。
「お客様どの様な方でしょうか」
「あたい?」
「レベルを拝見しますと」
フェジョアーダを食べているアレンカールに言うのだった。
「身元確認で」
「それでなのね」
「物凄いレベルとステータスですが」
「そのことね」
「まさか星の方でしょうか」
「そやけど」
アレンカールは食べつつ正直に答えた。
「まあそのことは食べてからでいいかしら」
「それからですね」
「まずはお腹空いてるから」
「お食事ですね」
「それに専念したいから」
だからだというのだ。
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